1.海外での現地調査:夏期に、研究代表者の宮岡と研究協力者の永井佳代・永井忠孝がアメリカ合衆国アラスカ州においてエスキモー語(アラスカ・ユピック語、シベリア・ユピック語、イヌピアック語)の、研究分担者の笹間はカナダ北西部において海岸ツィムシアン語の、現地調査をおこない、文法面(形態面・統語面)にかんする資料やテキストを蒐集した。 2.研究討議:宮岡、笹間、永井佳代、永井忠孝が春と秋に東京と京都に集まり(永井忠孝は東京のみ)、各人の調査結果および対象言語が現在おかれている状況を検討するとともに、出版計画を含めた成果のとりまとめについて打ち合わせをおこなった。 3.資料整理:現地調査によりえられた資料(音声資料を含む)は、各メンバーが整理・分析をすすめ、前年度に引き続き、部分的なデータベース化をおこなっている。 4.研究成果の公刊:メンバーの研究成果は、2002年・2003年公刊(あるいは公刊予定)の本特定領域研究出版物として発表されている。この中には、裏面研究発表欄に記載したものに加え、研究協力者により文法的分析がほどこされたシベリア・ユピック語のテキストや、コミュニティ向けの辞書作成プロジェクトにおける諸問題を扱った海外共同研究者による海岸ツィムシアン語研究、同じく海外共同研究者によるパパゴ語辞書などが含まれる。 これらの成果にくわえ、メンバーは言語危機問題の重要さについて一般の関心を喚起すべく、裏面記載の言語危機一般を扱った論文集の編集公刊(または監訳・翻訳)をおこなった。
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