研究概要 |
本研究グループは,これまでに,1)セキュアなモバイルアプリケーションを実験するためのテストベッド,2)資源の不正利用に対処するOS支援機構,3)マルチプラットフォームに対応した適応可能セキュアエージェントソフトウェアに関する研究開発を行ってきている. 第1のテストベッド構築に関しては,セキュアなモバイルアプリケーションやさまざまなセキュアなサービスを実験するための実験環境を構築し,次年度以降に行う実証実験・評価などを効率よく実施することが可能となった.また,本テストベッドを用いて,大学キャンパスにおけるセキュアキャンパスコンピューティングの実現に向けてスマートカードの一形態として携帯電話上のiアプリにおけるセキュリティ機能の調査,Javaカードを用いた電子マネーアプリケーションや成績証明閲覧アプリケーションの構築を行った. 第2の不正利用に対処するOS支援機構に関しては,モバイルアプリケーションのよりセキュアな実行環境を実現していくための実行時のセーフティネットを構築するために,オペレーティングシステムレベルでアプリケーションからの不正な資源利用を抑制するための機構について研究し,統一的資源予約機構の枠組みを開発した.特に,CPU資源やネットワーク帯域に関してのモバイルアプリケーションからのDOS攻撃に有効なOS支援機構を研究開発している. 第3の適応可能セキュアエージェントに関しては,一般的に利用されてきている移動可能エージェントソフトウェアを拡張し,適応可能セキュアエージェントモデルを設計し,同モデルに対する機能的要求およびその実現方法について検討した.特に,各種のなりすまし攻撃や改ざん攻撃に対する耐性を備えたモバイルアプリケーションであるフォローミーデスクトップを開発し,基本機能に関する評価をしている.
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