研究課題/領域番号 |
12301011
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研究機関 | 東京国際大学 |
研究代表者 |
高橋 明善 東京国際大学, 教授 (80014926)
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研究分担者 |
田中 宏 東京国際大学, 助教授 (80275809)
古城 利明 中央大学, 教授 (70055185)
桑原 政則 東京国際大学, 教授 (80129080)
黒柳 晴夫 椙山女学園大学, 教授 (80097691)
若林 敬子 東京農工大学, 教授 (60293015)
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キーワード | SACO / 基地移設 / 地域振興 / 地方自治 / 情報文化圏 / 自立的発展 / 沖縄 / 普天間基地 |
研究概要 |
1996年の日米特別合同委員会(SACO)合意による沖縄の基地の整理・移設・返還問題は、沖縄県内に賛否の世論の厳しい対立をもたらした。最大の問題は宜野湾市普天間基地の名護市東海岸への移設計画である。基地の重圧からの脱却を求める沖縄県民や県政に対して、安保体制の下での基地保持をはかることを至上命題とする日本政府のシステム要請は、基地問題を沖縄ならびに移設先の北部ヤンバル地域振興問題と抱き合わせることによって問題の解決をはかろうとしている。順調に進んでも移設終了まで、なお、10年は要すると見られる。基地移設と地域振興策をめぐる政府、県や市町村、住民の現在までの動きの全経過を克明に追求して何が問題として浮上してきたかを明らかにしたのが研究の経過と内容である。さらに同じくSACO合意にかかわる那覇軍港の浦添市移設、読谷飛行場返還の条件としての楚辺通信所の移設に関しても調査研究の射程を広げて追跡研究を始めた。これらの基地施設移設完了後も、基地の重圧からの脱却、広大な基地跡地利用、沖縄の自立の達成など多くの問題が山積している。本研究は基地問題の解決とリンクする沖縄振興問題にかかわって、経済、自治体行財政、社会・生活・文化構造、環境問題、福祉問題などにまで踏みこんで研究を進めている。 これらの研究にあたって、地方自治の確立を重視する視点から、基地移設に関係する名護市、読谷村、宜野湾市、浦添市、那覇市の5自治体の総合的研究も実施してる。 また、沖縄の自立的発展の基礎は人材の要請にあると考え、沖縄の二つの中学に協力して、英語と映像で世界に情報を発信する中学生の養成をはかるための実験的教育をも開始した。調査研究における全く新しい試みだが、世界とアジアに開かれた情報文化圏の形成を考えながら、軍事力によらない平和秩序の形成の可能性を探ろうとするものである。
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