2002 年度実績報告書

サブミリ波分子・原子輝線による銀河中心領域の観測的研究

研究課題

研究課題/領域番号	12304010
研究機関	国立天文台
研究代表者	浮田信治国立天文台, 電波天文学研究系, 助教授 (20184989)
研究分担者	江澤元国立天文台, 電波天文学研究系, 助手 (60321585) 関本裕太郎国立天文台, 電波天文学研究系, 助教授 (70262152) 中井直正国立天文台, 電波天文学研究系, 教授 (80192665) 山本智東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (80182624) 河野孝太郎東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (80321587)
キーワード	星間ガス雲 / 電波天文 / 銀河中心領域 / 星形成活動 / 分子スペクトル線 / サブミリ波 / 超伝導受信機 / 遠隔制御
研究概要	10mサブミリ波望遠鏡を用いて分子・原子輝線による銀河中心領域の大規模なマッピング観測を遠隔地(南米チリのアタカマ砂漠、標高4800m)で行うために以下の3項目の開発・研究を行った。 (1)サブミリ波での高い観測効率を得るためには、高精度な鏡面が必須である。目指す900GHz(波長0.33mm)での観測において開口能率50%を達成するためには、20μmの鏡面精度が必要である。この鏡面精度を達成するために、電波ホログラフィ法(測定波長3mm)による鏡面精度の測定データに基づき鏡面の調整を行ってきた(2002年8月と10月)。初期には200μmであった鏡面精度は、4度の鏡面調整を経て、鏡面精度30μmに達した。サブミリ波観測が行える目処が立った。今後、鏡面精度20μm以下を目指すに当り、複数枚のマップの重ね合わせによる測定精度の向上や、すでにホログラフイのマップにみられる副鏡やステイによる回折および受信ホーンの位相特性等を考慮し左解析等を行っていく予定である。 (2)Pointing測定を行い、全天指向精度が1秒角rmsであることを確かめた。 (3)衛星回線を使用してサンペドロアタカマにある山麓施設(標高2300m)から約60km離れた望遠鏡を遠隔操作しながら観測が出来るようになった。日本からのリモート観測にはより安定した通信経路の確保が必要であり、その対策が検討されている。 (4)サブミリ波受信機を用いてスペクトル分光観測の総合試験が行われた。観測室として用いているコンテナハウスの空調機の冷房能力が予定より低く(高地であるため)、スペクトル分光器の発熱が間題となっている。カリ-ナ領域(CO J=3-2,0.5度角四方の領域)などを試験観測として成功裏に行った。

研究成果

(6件)

すべてその他

すべて文献書誌 (6件)

[文献書誌] Kohno, K.et al.: "Diffuse and Gravitationally Stable Molecular Gas in the Post-Starburst Galaxy NGC 5195"Publ.Astron.Soc.Japan. 54. 541-564 (2002)
[文献書誌] Kamazaki, T.et al.: "Molecular Outflow Search in the р Ophiuchi A and B2 Regions"Astrophys.J.. 584. 357-958 (2002)
[文献書誌] Nakai, N., Sato, N., Yamauchi, A.: "Detection of Water Maser Flare in the Seyfert/LINER, NGC 6240"Publ.Astron.Soc.Japan. 54. 501-604 (2002)
[文献書誌] Ikeda, M., Oka, T, et al.: "The Distribution of Atomic Carbon in the Orion Giant Molecular Cloud 1"Astrophys.J.Supplement. 139. 467-756 (2002)
[文献書誌] Kohno, K. et al.: "Enhanced HCN (1-0) Emission in the Type-1 Seyfert Galaxy NGC 1097"Publ.Astron.Soc.Japan. 249. L55 (2002)
[文献書誌] Ikeda, M.Hirota, T.Yamamoto, S.: "The H^<13>CN/HC^<15>N Abundance Ratio in Dense Cores : Possible Source-to-Source Variation of Isotope Abundances?"Astrophys.J.Letters. 575. 250-L169 (2002)

2002 年度 実績報告書

サブミリ波分子・原子輝線による銀河中心領域の観測的研究

研究代表者

浮田 信治 国立天文台, 電波天文学研究系, 助教授 (20184989)

研究成果

[文献書誌] Kohno, K.et al.: "Diffuse and Gravitationally Stable Molecular Gas in the Post-Starburst Galaxy NGC 5195"Publ.Astron.Soc.Japan. 54. 541-564 (2002)

[文献書誌] Kamazaki, T.et al.: "Molecular Outflow Search in the р Ophiuchi A and B2 Regions"Astrophys.J.. 584. 357-958 (2002)

[文献書誌] Nakai, N., Sato, N., Yamauchi, A.: "Detection of Water Maser Flare in the Seyfert/LINER, NGC 6240"Publ.Astron.Soc.Japan. 54. 501-604 (2002)

[文献書誌] Ikeda, M., Oka, T, et al.: "The Distribution of Atomic Carbon in the Orion Giant Molecular Cloud 1"Astrophys.J.Supplement. 139. 467-756 (2002)

[文献書誌] Kohno, K. et al.: "Enhanced HCN (1-0) Emission in the Type-1 Seyfert Galaxy NGC 1097"Publ.Astron.Soc.Japan. 249. L55 (2002)

[文献書誌] Ikeda, M.Hirota, T.Yamamoto, S.: "The H^<13>CN/HC^<15>N Abundance Ratio in Dense Cores : Possible Source-to-Source Variation of Isotope Abundances?"Astrophys.J.Letters. 575. 250-L169 (2002)

2002 年度実績報告書

浮田信治国立天文台, 電波天文学研究系, 助教授 (20184989)