研究課題/領域番号 |
12304045
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
分離・精製・検出法
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
渡會 仁 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30091771)
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研究分担者 |
塚原 聡 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50207338)
福本 敬夫 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10199268)
文珠四郎 秀昭 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80191071)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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キーワード | 液液界面 / 錯形成反応 / 界面集合錯体 / 界面分子認識 / 溶媒抽出 / 二相マイクロシースフロー法 / 分子動力学シミュレーション / 遠心液膜法 |
研究概要 |
本研究は、液液界面とそこに生起する反応について、単一分子の吸着挙動から界面錯体の生成機構に至るまで、それらを直接的に測定する方法を開発し、界面反応の分子機構を明らかにすると共に、その分析化学的機能を開発することを目的として実施し、以下の成果を得た。 (1)単一蛍光分子をプローブとする界面ナノ物性の評価 界面に吸着した単一蛍光性分子の発光の時間変化を計測し、界面の粘度、拡散係数等の物性を初めて評価した。界面活性剤の存在による吸着分子の拡散運動の低下が、1分子レベルで初めて明らかにされた。 (2)界面反応と界面錯体構造の新たな直接測定法の開発 界面反応の直接測定法として、遠心液膜法の有用性を種々の系で示した。さらにμsまでの高速界面反応を直接的に測定できる二相マイクロシースフロー法を開発した。また、界面錯体の構造を解析する方法として、遠心液膜顕微ラマン法と質量分析法を新たに開発した。 (3)界面錯体の触媒機能と分子識別能の開発 界面において進行する金属錯体生成反応は、試薬や中間錯体の吸着により触媒作用を受けることを確認した。また、界面においては、会合錯体がバルク相中よりも安定に生成することを幾つかの系において発見した。これらの発見は、界面反応の触媒機能を組み込んだ抽出系の設計指針となる。また、界面錯体の集合体形成が、新たな分子認識反応となることを発見した。 (4)分子動力学シミュレーションによる界面反応の理解 分子動力学(MD)シミュレーションが界面の視覚化に有用であることを示した。さらに、界面での単一分子の吸脱着挙動のシミュレーションと、界面ナノ領域での溶媒との相互作用エネルギーの推算を行い、疎水性の抽出試薬が有機相よりも界面で安定であり、かつ水相には分配しないことを示した。
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