研究概要 |
互いに平行に設置された2板のディフューザを用い,それらの下部から空気(または酸素ガス)を供給し,それらの中間部から水を流し,上部ディフューザ領域に泡部を生成する.生成された泡部には電極対が設置されており,ブルームラインを用いて発生させた高電圧パルスを印加して,泡部でオゾン,OHラジカル,H_2O_2などを生成し,これらを水処理用として用いる. ブルームラインの充電電圧が11-12kVになると泡中での放電が目視で観測できるが,それ以下では困難であった.泡中の放電の様子はICCDカメラで観測された.泡中の放電により生じるオゾン(ガス)は充電電圧とともに増加し,最大オゾン濃度220ppm(空気)及び600ppm(酸素ガス)が得られた.オゾン(ガス)濃度は泡中での放電状態(一様か否か)に大いに依存する.アーク状放電になるとオゾン(ガス)濃度は減少する. 一方,インジゴ法で測定した水中の溶存オゾン濃度は,最大で0.13mg/dm^3であり,充電電圧(13-15kV)とともに増加した.放電による処理時間を3,5,10及び15分とした場合,溶存オゾン濃度はごく少ししか増大しなかった.例えば,3分と15分を比べると14kV充電時でその差は0.02mg/dm^3であった. 次に300-335nm領域のOHの発光を酸素,アルゴン及び空気を用いて測定した.水は精製水を用いた.また,OHラジカルからの放射光強度は充電電圧の増大とともに大きくなった.更に,H_2O_2の最大濃度40mg/dm^3(酸素)及び35mg/dm^3(空気)が得られた.この場合のガス流量は5dm^3/minで充電電圧は14.5kVで放電処理時間は10分である.
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