研究課題
本研究では、(1)臓器移植免疫寛容動物の作製及び解析:臓器移植に伴う免疫制御の新しい方法をin vitro並びにin vivoで開発するとともに、その作用機序について、個体、臓器、細胞レベルさらには分子、遺伝子レベルで解析を行った。また、新しい免疫抑制剤あるいは免疫抑制遺伝子導入手技の開発並びにそれらの作用機序について細胞及び分子レベルで解明することも行った。これらの結果を踏まえ、今回は同種異系ラット肝移植免疫寛容ラットの作成は臓器移植後の免疫抑制剤FK506の投与による誘導し、移植後グラフトが100日を超えた後、従来の細胞免疫学の方法を用いて末梢血のリンパ球を分離し、FACSにて細胞表面の分子について解析を行い、CD4+、CD25+細胞集団がNaiveのラットより有意に増加していることを明らかにした。一方、免疫寛容動物から得られたリンパ球の養子移植実験を行い、免疫調節機能を持つリンパ球の存在を確認することができた。(2)臨床生体肝移植後免疫抑制剤離脱症例の解析:600近く生体肝移植症例の中から免疫抑制剤離脱症例に絞り込み、臨床所見、治療歴、検査データなどの情報解析を行い、合併症などのやもえない理由で免疫抑制剤をやめたケースと計画的に免疫抑制剤を離脱したケースを分け、さらに健常者を対照群とし、血液、肝生検組織を採取、保存した。(3)本研究に関わる両施設の倫理委員会への申請を行い、国立小児病院においては承認を得られた。京都大学において今年4月の予定である。
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