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2003 年度 実績報告書

文化的自己主張の歴史と現在の諸様態-ドイツおよび東アジアを中心に

研究課題

研究課題/領域番号 12410011
研究機関大阪大学

研究代表者

三島 憲一  大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (70009554)

研究分担者 大貫 敦子  学習院大学, 文学部, 教授 (70176957)
木前 利秋  大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (40225016)
キーワードアイデンティティ / 文化的自己主張 / 記憶 / 宗教 / 近代化論
研究概要

本年度は、研究分担者および参加者によるこれまでの研究のとりまとめが中心となった。研究分担者、参加者を中心に日本、韓国、中国、ドイツ、カナダの研究者が2003年12月に集まってワークショップの形でこれまでの成果を発表し、相互に検討しあった。またこれまで扱わなかったテーマとして旅行紀や神学・宗教なども扱った。
成果としては、ルーマンのシステム論、ハーバーマスの合理化論などを用いながらの近代化についての理論抜きには、文化的自己主張の概念的整理が不可能であるとの認識の上に、さらにこうした既成の近代化論に欠けている、複数の近代化(multiple modernities)および相互に錯綜し、干渉しあう近代化(entangled modernities)という概念の必要性が確認されたことがある。
また、それぞれの文化における意味追求やアイデンティティの基盤となる宗教、文化、民族、歴史といった基礎概念相互のずれが自己主張の差異から読みとれることも確認された。それは、国によっては科学の歴史が重要であるが(例えば中国)、他の国では美や芸術に関するディスクルスが特権的位置を持ったりする差異の理由でもあるからである。
グローバル化のなかで、自己主張の相手がこれまでの西欧近代やアメリカでは必ずしもなくなってきている状況も確認された。
これまでの発表論文を精選した論集が報告書として近いうちに纏められる予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] MISHIMA Kenichi: "Generationswechsel und Erinnerungskulturen in Japan"CorneliBen, Christoph, Klinkhammer, Lutz u.Schwentker, Wolfgang (Hrsg.), Erinnerungskulturen, Deutschland, Italien und Japan seit 1945, Frankfurt. 344-358 (2003)

  • [文献書誌] MISHIMA Kenich: "Thetisierung zwischen Hegemoniekritik und Selbstbehautung"Amelung, Ivo, Koch, Mathias, Kurtz, Joachim, Lee, Eung-Jeung u.Saaler, Sevn (Hrsg.), Selbstbehauptungsdiskurse, in Asien - China, Japan, Korea, Munchen. 25-48 (2003)

  • [文献書誌] 三島 憲一: "『世界周航記』と啓蒙の再読"世界周航記 下巻(ゲオルク・フォルスター)(岩波書店). 463-490 (2003)

  • [文献書誌] ONUKI Atsuko: "Rede-Fifur und Gender-Figuration. Am Beispiel der judischen Salons in Berlin um 1800"学習院大学文学部研究年報. 49. 171-190 (2003)

  • [文献書誌] ONUKI Atsuko: "Insturumentalisierung der Geschichte und Nationaldiskurse : Das Beispiel der Schulbuchdiskussion in Japan"Richter, Steffi und Hopken, Wolfgang (Hrsg.), Vergangenheit im Gesellschaftskonflikt, Ein Histrikerstreit in Japan, Koln/Weimar/Wien. 133-150 (2003)

  • [文献書誌] ONUKI Atsuko: "Gender und asthetische Kanonbildung"Institut fur Germanistik der Seoul National Universitat (Hrsg.), Zeitschrift fur deutschsprachige Kultur & Literaturen. 12. 175-192 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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