研究課題/領域番号 |
12410012
|
研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
松居 竜五 龍谷大学, 国際文化学部, 助教授 (40238952)
|
研究分担者 |
萩原 博光 国立科学博物館, 主任研究官 (90100932)
千本 英史 奈良女子大学, 大学院・人間文化研究科, 教授 (50188489)
川島 昭夫 京都大学, 総合人間学部, 教授 (00128779)
小峯 和明 立教大学, 文学部, 教授 (70127827)
吉川 寿洋 和歌山工業高等専門学校, 教授 (30043532)
|
キーワード | 南方熊楠 / 民俗学 / 生態学 / 英国図書館 / 人類学 / 植物学 / 今昔物語集 / 比較文化 |
研究概要 |
資料面に関して、8月に松居がロンドンに出張し、英国図書館およびヴィクトリア・アルバート美術館において調査を行った。この結果新たに重要資料が発見され、これについては『熊楠研究』第五号に発表した。また、松居は5月に東京、6・9月に和歌山(いずれも関連研究者と同行)に出張し、関連の資料調査を行った。この結果は、『ノートルダム女子大学生活文化研究所紀要』などに発表した。7月に土永浩史(南紀高校教諭)土永知子(田辺高校教諭)がつくば市の国立科学博物館実験植物園に出張して熊楠が採集した苔類・高等植物の調査を行った。また、8・9月に小泉博一(京都工芸繊維大学教授)、岩崎仁(同助手)、田中伸也(同大学院生)が実験植物園に出張し、熊楠の図譜などに関する調査を行った。なお、このうち熊楠の菌類図譜6000点に関しては、本研究ではカバーできないために、岩崎を代表とする新しい科研申請を別途行った。 関西在住のメンバーによる研究会を、5・7・9・11・2月に行い、南方熊楠と郷土史に関する研究者であり、熊楠マニュスクリプトの翻刻に関する第一人者である中瀬喜陽氏に出張してもらって、松居竜五、川島昭夫、千本英史を含むメンバーで研究会を開催して、日記などの読解作業を行った。また、小峯和明を中心とする東京在住のメンバーによる翻字の会を毎月開催し、小畔四郎宛南方熊楠書簡の読解作業を進め、その一部を『熊楠研究』第五号に発表した。なおこれらの一次資料は、これまでに本研究などにより南方熊楠旧邸書庫の資料をマイクロ化したものを用いている。 南方熊楠資料研究会のウェブサイトwww.kumagusu.aikis.or.jpに関しては、最新の調査データを公開するとともに、英語版を新たに設けるなど拡充を図った。このウェブサイトおよび『熊楠研究』第五号の編集のために、本研究の謝金を利用した。 なお、本研究は平成16年度に終了するが、南方熊楠資料とりわけ未翻刻のマニュスクリプトが膨大である(現行版全集のおよそ2倍の量が未翻刻のまま残されている)ため、現在の研究の継続とともに、新たにこれらの翻刻作業を目的とする計画「南方熊楠草稿資料の公刊および関連資料の総合的研究」の基盤研究Aへの前年度申請を行った。
|