研究課題/領域番号 |
12410015
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
美学(含芸術諸学)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
神林 恒道 大阪大学, 大学院・文学研究科, 教授 (80089862)
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研究分担者 |
永田 靖 大阪大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (80269969)
森谷 宇一 大阪大学, 大学院・文学研究科, 教授 (70033181)
上倉 庸敬 大阪大学, 大学院・文学研究科, 教授 (90115824)
根岸 一美 大阪大学, 大学院・文学研究科, 教授 (80097956)
山口 修 大阪大学, 大学院・文学研究科, 教授 (20061583)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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キーワード | 美学 / 芸術学 / 哲学 / 日本 / 近代 / 翻訳 / 研究室史 / 研究史 |
研究概要 |
本研究は、2001年に千葉県幕張で開催された第十五回国際美学会議に照準を合わせて計画された、日本近代における美学、および諸芸術学の受容と展開についての総合的な調査である。 日本にはすでに、世阿弥の「風姿花伝書」や近松の「虚実皮膜」の論など、今日の芸術論の吟味にも耐えうる優れた芸術論が存在していた。しかし現在、われわれが「美学」と呼んでいる芸術研究が出現したのは、明治近代このかたのことである。この美学は、他の人文学と同様に、西欧のHumanitiesの翻訳学として始まったのである。その最初の美学研究、あるいは紹介として知られているのが、西周の『美妙学説』である。しかしひとびとが、この「美学」という学問に積極的な関心を抱くようになったのは、明治二十三年、明治美術会での外山正一の「日本絵画ノ未来」への森林太郎(鴎外)の駁論がきっかけとなっている。この論争を通じて、ひとびとは「美学」は美術批評にきわめて有効な理論であると受け止めたのである。そこには、明治という時代の功利主義的な意識の反映が認められよう。とにかくこれが契機となって、各大学であらそって美学の講座が、美術史とセットで開設されることとなった。 こうした日本における美学・美術史研究がどのようにして始まったかについては、京都の立命館大学で催された、国際美学会議協賛シンポジウム「芸術のアジア」で、研究代表者の神林が「日本の『美学』と『日本』の美学」と題して発表を行っている。その後の美学・美術史研究の展開については、美学・美術史の講座の伝統を有する諸大学の研究室史に詳しく述べられているところである。今回の研究では、これまでほとんど論じられることのなかった、美学・美術史以外の諸芸術学(文芸学、芸能史演劇学、音楽美学、民族音楽学、映像学等)の研究史をことに重視している。
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