研究課題/領域番号 |
12420020
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
政治学
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
黒澤 満 大阪大学, 大学院・国際公共政策研究科, 教授 (10111709)
|
研究分担者 |
星野 俊也 大阪大学, 大学院・国際公共政策研究科, 助教授 (70304045)
村上 正直 大阪大学, 大学院・国際公共政策研究科, 教授 (70190890)
米原 謙 大阪大学, 大学院・国際公共政策研究科, 教授 (30137301)
饗場 和彦 徳島大学, 総合科学部, 助教授 (50314414)
阪口 規純 岡山理科大学, 理学部, 助教授 (90294157)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2002
|
キーワード | 人間の安全保障 / 国家の安全保障 / 安全保障 / 国際連合 / 軍縮 / ナショナリズム / 人権 / 人道的介入 |
研究概要 |
本研究は、最近になって登場した「人間の安全保障」という概念に関し、それを伝統的な「国家安全保障」の諸理論との比較研究を行うこと、及び、「人間の安全」を、(1)国家との関係、(2)社会との関係、及び(3)国際社会との関係、という3つの視点から重層的・複眼的に捉えなおすことによって、「人間の安全保障」概念の精緻化を図り、「人間の安全保障」の国際的制度化に向けた政策提言を行うことを目的としたものであった。 本研究は研究会方式ですすめられ、各自に割り当てられたテーマに関する報告及びその検討が行われた。具体的な検討例をあげれば、例えば、国際社会のレベルでは、人間の安全保障をめぐる全般的な議論を踏まえ、日本の諸政策や、国際社会においてさまざまな分野で取り組まれる「人間の安全保障」の強化のための取り組みを具体的に検討し、日本やドイツなど、各国において、「人間の安全保障」が如何に位置付けられてきているのかについても検討してきた。また、国内社会と人間の安全保障のかかわりにつき、ナショナリズムの視点からも検討された。 最終的にとりまとめられた報告書においては、いくらかの重要な分野において、「人間の安全保障」の概念が、国際社会、国家及び社会の各レベルにおける諸政策に一定の方向性を与え、「人間の安全保障」の制度化が漸進的に進んでいることを示すことができた。また、従来みられてきた現象を、この概念の文脈に位置づけることも可能であることも示された。このことは、この概念が一定の有用性と可能性をもっていることを示しており、本研究に参加した研究者は、今後も、各自の研究分野において、「人間の安全保障」の概念を念頭に置きつつ、研究をすすめることになろう。
|