研究分担者 |
斎藤 真哉 青山学院大学, 経営学部, 教授 (40215538)
片山 覚 早稲田大学, 商学部, 教授 (90063742)
會田 一雄 慶應義塾大学, 総合政策学部, 教授 (30159264)
古庄 修 亜細亜大学, 短期大学部, 助教授 (90219113)
鈴木 豊 青山学院大学, 経営学部, 教授 (00077877)
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研究概要 |
(1)プライベート・セクターに関する研究実績 我が国におけるプライベート・セクターに関する会計基準の制定・改廃および監査は原則としてそれぞれのプライベート・セクターを所轄する官庁の指導の下に行われている。したがって,財務情報の利用者としては,主として当該所轄官庁が想定されている。 これに対して,アメリカでは民間の非営利組織である財務会計基準審議会(FASB)がその任を負っている。財務情報の利用者は,資源提供者が第一位であり,彼らの情報ニーズはプライベート・セクターが提供するサービスの内容,そのサービスを提供する場合の効率性と有効性,およびそのサービスを提供する能力についての情報であるとして企業会計の思考を援用している。 宗教法人および社会福祉法人に対するアンケート調査を行った結果,我が国においても人員・資金量など法人の規模に大きな幅があるが,まず(1)財務報告の目的を設定し,(2)財務情報利用者を特定し,(3)彼らの情報ニーズを特定し,(4)提供すべき財務情報を具体的に導き出すという作業が必要である。そして,その作業を担当する組織は民間の非営利組織体が望ましい。 (2)パブリック・セクターに関する研究実績 (1)監査委員会が設定した監査基準であるコード(2000年)による財務監査,準拠性監査および業績監査を統合した公監査のモデルとしてのイギリスにおける監査制度,(2)GASB基準書第34号(1999年)によるアメリカにおける基本財務諸表,(3)フランス財務一般会計の表示に関する報告書(1999年),(4)ドイツ自治体共同機構による市町村レベルでの会計制度の改革,などを検討し,さらに昨年行った神奈川県藤沢市,三重県,宮城県に対するアンケート調査・ヒアリング調査の結果の比較の結果,我が国においては財務報告の目的の明確化が最大の課題であることが指摘される。
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