研究課題/領域番号 |
12440055
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研究機関 | 宇宙科学研究所 |
研究代表者 |
中川 貴雄 宇宙科学研究所, 宇宙圈研究系, 教授 (20202210)
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研究分担者 |
芝井 広 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70154234)
金田 英宏 宇宙科学研究所, 宇宙圏研究系, 助手 (30301724)
村上 浩 宇宙科学研究所, 宇宙圏研究系, 教授 (40135299)
土井 靖生 東京大学, 教養学部, 助手 (70292844)
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キーワード | 銀河中心 / 遠赤外線分光 / 遠赤外[CII]線 / 気球搭載望遠鏡 / 星生成率 / 光解離領域 / 星間物質 / 星間輻射場 |
研究概要 |
我々の今までの気球観測により、銀河中心領域では、[CII]スペクトル線が異常に弱くなっていることが見いだされた。我々は、この以上に弱い[CII]線を説明するために、「銀河中心領域での星間輻射場がソフトである」という仮説を立てた。この仮説が正しいとすると、[CII]線の弱さのみならず、銀河中心領域での高温の分子がスの存在など、多くの謎が自然に説明される。その一方で、「銀河中心領域での星生成率が現在は低い」という、重要な結論も導かれる。 この仮説の検証のために、我々はインド/タタ研究所のグループと協力し、タタ研究所が開発した口径1mという大口径の気球搭載望遠鏡に、日本側で開発したファブリ・ペロー分光器を搭載して、今までよりもはるかに優れた空間分解能をもつ遠赤外線分光マッピング観測を行い、銀河中心領域の星間ガスの物理状態と星形成活動とを明らかにすることを計画した。 そのために、平成12年度にインドに遠征し、気球実験を行うべく準備を進めた。観測機器としての準備は修了し、あとは気球放球を待つのみとなった。しかしながら、遠征期間中には地上風が気球の放球に適した状態にならず、今年度の気球観測は断念せざるを得なかった。 平成13年度に、再び観測実験を行う予定である。
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