徳島大学工学部の機械工学科の7人の溶接作業実習学生に電磁界曝露量計(5人にはEMDEXII、2人にはEMDEX MATE)を携帯させ、磁界曝露量測定を行った。さらにフライス盤加工およびNC旋盤加工の作業時の磁界曝露量の測定を追加した。これと並行して、電気電子工学科においても電力実験(過電流継電器、模擬送電線、単相三線式配電線の実験)を行う学生の磁界曝露量の測定を行った。その結果、溶接と継電器の実験時の曝露磁界は100μTに達することが明らかになった。溶接時の磁界の時間変化は極めて間欠性が強く、曝露評価にはこのような特性を考慮する必要がある。また、溶接作業時の電流通路の構成要素には電源ケーブル、被溶接物体、架台および接地平板などがあり、それらの配置をモデル化して磁界曝露量の低減の可能性について検討した。 電力作業については2回線送電線の停止回線側のスペーサ点検作業を検討対象とし、磁界曝露量の数値計算を行った。作業員が曝露される磁界は起誘導(運転)回線からの磁界と停止回線の誘導電流による磁界のベクトル和として求められた。計算結果は実測結果とよく一致することが認められた。 パソコン作業者についても同様にELF電界曝露量を測定した。映像モニタと人体を接地、または非接地とし、人体各部位における電界と頚部通過誘導電流の定量化に成功した。さらにブラウン管に使われている直流高電圧源からの磁界についてこれを交流電源と置換えてデータの収集を行った。
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