| 研究概要 |
本研究は,粒度・間隙径などの指標が透水性・強度(特に粘着力)に及ぼす影響を筆者らが提案している「粒度評価径」による説明能力の検討と精度改善への意図で実施している.
(1)資料収集・分析
不飽和土の「粘着力と透水係数」および関連する粒度と間隙情報の収集を意図したが,本年は「飽和土の透水係数との関係」に集中して収集して検討した.間隙情報が飽和透水係数に直接的な関係を持つからである.その結果,透水係数には,間隙関数(間隙率や間隙比の関数)より粒子形状の支配する要素が微妙に影響することが判明した.
(2)粘着力・内部摩擦角の粒度や間隙指標による検討
強度との粒度・間隙指標の関係は,資料収集も限定したこと及び事項で述べる新しく試作した併用試験機の精度検討に力を集中したので,次年度の作業に期することとした.
(3)透水試験と強度を併用する「透水圧縮試験機」開発
不飽和な「角柱試料」に対する透水試験後に一軸圧縮試験を併用する試験機を試作した.これを使用したシルト質土に対する少数の実験結果であるが,満足すべき傾向を認めた.一軸試験では影響の大きい端面摩擦を無視した実験であるが,次のような概略的結果を得た.
1)筆者らの提案した定常流型透水試験によるものと角柱の側面から水平流型の透水試験によるものとは,結果的に遜色のない精度の不飽和透水係数が計測できる.
2)通常の円柱試料に対する一軸強度に対して,角柱の一軸強度は同程度の評価が可能であり,稜線の影響を工夫した評価で修正する方向性が認められた.
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