研究課題/領域番号 |
12460119
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
菅野 長右ヱ門 宇都宮大学, 農学部, 教授 (30011969)
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研究分担者 |
小西 良子 国立医薬品食品衛生研究所, 衛生微生物部, 室長 (10195761)
飴谷 美智子 (特)理化学研究所, 免疫アレルギー研究センター, 研究員 (80240688)
東 徳洋 宇都宮大学, 農学部, 助教授 (30151062)
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キーワード | サルモネラ / IgM / モノクローナル抗体 / IgA / ハイブリドーマ / LPS |
研究概要 |
12年度に作成したSalmonella enteritidis(SE)に対するポリマー抗体のうち、抗SE-IgMモノクローナル抗体を培養上清より大量に精製し、それらの感染防御機能を調べた。回収した培養上清を分画分子量約10万の遠心型限外濾過膜に供し、抗体画分を約0.5mg/mlの濃度に濃縮した。抗体濃度はELISA法により測定した。抗SE-IgM抗体はELISA、SDS-PAGEおよび免疫染色の結果からLPSには結合せず、SEのべん毛タンパク質を特異的に認識していることが示唆された。走査型電子顕微鏡を用いて抗SE-IgM抗体とSEとの結合する様子を調べたところ、SEを凝集し、運動性を低下させることが明らかになった。そこで抗SE-IgM抗体の静菌効果を調べるために、SEを各抗体を含む培地に懸濁して室温で1〜24時間静置した後、寒天培地上で一昼夜培養し、コロニー形成率を測定した。その結果、抗体と4〜24時間混合したSEのコロニー形成率は、抗体無添加の場合に比べ約2倍低下していた。また、各抗体についてSEの腸管細胞に対する結合阻害活性を調べる目的でヒト腸管細胞Caco-2を約13日間培養し、種々の濃度の抗体を含む培地にSEを懸濁してCaco-2とともにインキュベートした。洗浄後細胞を可溶化して寒天培地にまき、Caco-2に結合したSEのコロニー数を測定した。その結果、約10μg/mlの抗SE-IgM抗体存在下において約40%のSE結合阻害活性が得られた。以上の結果より、12年度に作成した抗SE-IgM抗体は抗SE-IgA抗体と同様、優れた感染防御機能を有することが示された。
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