研究課題/領域番号 |
12470457
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
大山 紀美栄 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (90014216)
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研究分担者 |
馬場 祥行 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (70251535)
鈴木 聖一 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (90187732)
黒田 敬之 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10013939)
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キーワード | 先天異常 / 創傷治癒 / 顎顔面形態異常 |
研究概要 |
平成13年度は平成12年度に引き続きマウスを用いて胎仔外科の手法を応用して、出生時に顎顔面頭蓋に形態異常を惹起させる方法の確立、及びその機構を解明するために組織学的な観察を行った。形態異常を惹起させる方法としては、従来の羊膜外からのレーザー照射による方法と、マイクロシリンジを用いて胎仔に成長因子を投与する方法を用いた。このうち、マイクロシリンジを用いて胎仔に成長因子を投与する方法は、羊膜刺入時における羊水の流出や、適正投与量の判定が困難であることから、胎仔の生存率が低く、現在も投与方法の改良を試みている。一方、レーザー照射により胎仔の口唇部に熱傷を作製する方法では、作製した熱傷の程度により出生時に形態異常が現れる場合と現れない場合があることがわかった。そこで、形態異常発現の機構を明らかにする目的でレーザー照射の条件を変えて熱傷作製時から治癒するまでの経過を経時的に組織切片を作製して観察を行った。その結果、レーザー照射による熱傷が上皮に限局した場合は、再上皮化も急速に進み、熱傷部位は瘢痕もなく完全に再生することが明らかとなった。また、レーザー照射による熱傷が上皮下の間葉組織に及んだ場合は、再生上皮が傷面を被覆するまでに障害をうけた細胞や血球の羊水中への流出がおこり、出生後、創面の治癒が完了したのちも組織量の減少が形態変化として現れたものと考えられた。
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