研究概要 |
本年度は,自律走行型除雪実験装置の全システムを稼動させ,機械学習付き自動調整機構,超音波診断,赤外線ビション認識,DGPSなどの評価試験を実施した.実験車両用に製作した自律走行支援モジュールは,自律型の走行制御とともに,ホストコンピュータからの遠隔操作の両方を実現するものである.除雪機の各種センサー情報は,無線LANによりホストコンピュータに伝送され,作業者は除雪機から見た周囲の環境情報を,CCDカメラ画像,金属センサー出力,超音波センサー出力,DGPSなどによって監視できるものとなった.本年度の主要開発テーマである超音波診断とDGPS機能の搭載と走行実験についての成果をまとめると次の通りである. ・DGPSを小型携帯ワンボードマイコン上へ構築する.HITACHI SHシリーズ開発キットを用いてワンボード化することによって除雪機の自動位置制御試験を実施した. ・専用の制御装置を試作しシステム全体の小型化を図り,自律型除雪車両の定点追従に成功した. ・機械学習を搭載したワンボードマイコンを用いて,センサー群のデータと障害物の状態との関係のテーブルを,降雪条件(吹雪き,粉雪,牡丹雪,べた雪)ごとに構築し,センサー感度制御の必要となる条件を確定した. ・複数のセンサーデータを機械学習により統合し,運転者に適切な情報(自己位置,走行マップ,障害物との相対距離など)を提供するマンマシンインターフェースの構築を行い,遠隔地から除雪機の制御が可能となることを示した.また,北海道大学構内において,DGPSによる位置計測を行い,定点追従制御が可能であることを示した.
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