研究概要 |
本年度は下記の研究を行った。 1.データマイニングによるひび割れ発生に関する要因分析: NATM工法により建設された道路トンネル(小樽管内)の天端に発生したひずみおよび9項目(施工パターン,坑口からの距離,スパン長,打設季節,インバート長,断熱材の有無,コンクリート打設温度,スランプ,空気量)の学習データ間の関連性について,ニュートラルネットワーク(学習法には,誤差逆伝播法と成長抑制学習法を採用)を用いて検討した。その結果,天端クラックと強い結びつきを示す項目として,坑口からの距離,施工パターン,断熱材の有無,コンクリート打設温度が抽出された。 2.非定常熱伝導解析手法の確立: コンクリートが硬化していく過程で発生する水和熱を考慮した非定常熱伝導解析プログラムを有限要素法を用いて作成した。新設トンネルでは一次覆工と二次覆工の間に厚さが薄く,熱容量の小さい断熱材が施工されるので,離散化による数値計算上の悪影響を取り除くために,断熱材の厚さ方向に要素分割を必要としない特殊要素を開発した。なお,この要素の精度は種々のモデル解析より良好であることが判明した。また,トンネル建設地点の未観測気温を推定する方法について検討を行い,アメダス観測値とSemi-Variogramより求める方法を提示した。さらにトンネル延長方向の気温の推定式の検討も行った。
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