研究課題/領域番号 |
12555131
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
三上 隆 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00002303)
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研究分担者 |
須藤 敦史 (株)地崎工業, 土木技術部, 主任研究員
小池 明夫 (株)ドーコン, 地質部, 研究員
名和 豊春 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30292056)
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キーワード | 寒冷地トンネル / 覆工ひび割れ / データマイニング / 断熱材 / 設計気温 |
研究概要 |
近年のトンネルには、NATMという施工技術および材料事情、使用・環境条件などの進歩あるいは変化に伴って、従来の在来(矢板)工法で施工されたトンネルにはあまり見られなかった変状が現れている。本研究はひび割れ原因や発生メカニズムの解明に資する情報の抽出を目的に行ったもので、最終年度の主な結果は以下の通りである。 (1)寒冷地トンネルに作用する地山凍結による凍結圧の算定に必要となる凍結深さを求めるために、一次元半無限移動境界問題の近似解析手法として、写像変換により半無限領域を有限領域に変換し、空間領域には選点法および時間領域には時間積分法を適用して支配微分方程式を離散化する手法を提案し、その妥当性の検討を行った。 (2)トンネル坑内における気温変動は、年平均気温と年振幅をパラメーターとする正弦関数で表わすことができ、年平均気温は,トンネル延長距離に対して指数関数的に比例して上昇し、逆に年振幅は減衰する。また実観測値による年平均気温および年振幅の上昇・減衰の傾向は、坑内風速(v)に影響を受け、v=1.0〜1.5m/sでは坑口より100m程度で、v=0.5m/s程度では200〜300mで収束する。 (3)二次覆工コンクリート表面の微細なひび割れおよびその環境・施工状況など種々の要因の因果(相関)関係は、Neural Networkを用いたData Miningによれば、スランプとスパン長に正の相関、空気量と28日強度に負の相関が現れ、また打設季節毎の相関解析では、スパン長とスランプの正の相関および空気量と断熱材の有無の負の相関が夏・冬のいずれも大きな相関を示す。
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