研究課題/領域番号 |
12555211
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
香田 忍 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (10126857)
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研究分担者 |
佐藤 正典 本多電子株式会社, 研究開発室, 室長
松岡 辰郎 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (60252269)
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キーワード | ソノケミカルリアクター / マイクロバブル / ヨウ化カリウム酸化反応 / 回分式反応器 / 定在波 / 滞留時間 / 流通管式反応器 / 有機塩素化合物 |
研究概要 |
周波数数十kHzから数MHzの強力な超音波を液体中に照射すると、微少な気泡(マイクロバブル)が生成し、崩壊するというキャビテーション現象が起こり、その崩壊時の断熱圧縮過程によって5千度・千気圧以上といわれる高温・高圧の局所反応場が短寿命に生成する。この反応場の化学工学プロセスへの応用を展開するために化学プロセスに組み込み可能な反応容積が数リットル以上の超音波化学反応装置(ソノケミカルリアクター)の開発を目的として研究をおこなった。 超音波反応装置開発のため、直方体型の反応器について以下の検討を行った。昨年度作成したソノケミカルリアクターにおいてポルフィリン分解反応より感度の高いヨウ化カリウム水溶液の酸化反応をもちいて検討をおこなった。生成したI_3の量を吸光度測定により定量した。 1)振動子の反射板を定在波条件で移動させたところほぼ定在波条件で反応が極大になることがわかった。 2)回分式反応器では、I_3の生成量は反応時間にほぼ比例した。 3)I_3の生成速度定数は振動子と反射板の位置が3.1cmのときより4.23cmのときの方が大きくなった。 4)流通管式反応器として扱い、滞留時間と量のI_3定常値から生成速度定数を算出したところ回分式から求めた値より大きくなり、また生成速度定数が極大値をとることがあきらかとなった。 反応容器における試料容積の拡大、超音波強度の最適化などの改良をすすめており、さらなる反応の効率化を図り、有機塩素化合物の分解の研究に着手し始めている。
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