研究課題/領域番号 |
12555230
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
西尾 尚道 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 教授 (30034383)
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研究分担者 |
平賀 哲男 島津製作所, 官庁大学本部・技術開発部, 研究職
中島田 豊 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助手 (10281164)
柿園 俊英 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助教授 (00214255)
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キーワード | 水素 / メタン / 二段発酵法 / バイオマス / 生ゴミ / 固定床リアクター / UASBリアクター / 燃料電池 |
研究概要 |
本年度は、水素-メタン発酵を実際にバイオマス(生ゴミ、パン製造工場固体廃棄物)に適用しその能力を評価した。生ゴミについては標準生ゴミ250gを用い、下水処理場から採取した高温メタン発酵汚泥を種汚泥とし水素発酵を行ったところ、水素生産には培養pHが大きく影響した。水素生産にはpH7が最適であり、pH5では著量の乳酸が生成し、H_2生成が抑制された。そこで撹拌型リアクターを用いpH7.0に制御した半連続培養を行なったところ、滞留時間2日で5mmol/l/dの水素生産速度が得られた。この時、上清中の全有機物炭素(TOC)は約3000mg/lであった。そこで、本上清を固定床型リアクターによりメタン発酵したところ、有機物負荷速度(OLR)2.17g-TOC/l/dで約140mml/l/dのメタン生成速度が得られ、TOC除去率も約90%を維持した。一方、パン製造工場固体廃棄物についても同様に検討を行ったところ、やはり水素生産には培養pHが大きく影響し、pH7において最も高い水素生産が見られた。そこでpH7に制御した撹拌槽型リアクターを用い、負荷速度を変えて半連続処理を行った。その結果、100g-wet wt./1、2日間処理により、MLSSの50%が減量化されると共に約300mMの水素が生産された。さらに水素発酵後の上清を基質として、UASBリアクターを用いたメタン発酵を行ったところ、OLRが9.5g-TOC/l/dの時、メタン生成速度は最大410mml/l/dであった。 以上の検討から、燃料電池に直接投入できる水素を実際のバイオマスから直接回収するとともに、副産物をメタン発酵により効率的にメタンに出来ることを明らかにした。
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