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2002 年度 実績報告書

マスト細胞特異的シグナル分子を標的にした抗アレルギー療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 12556050
研究機関東京理科大学

研究代表者

後飯塚 僚  東京理科大学, 生命科学研究所, 助教授 (50301552)

研究分担者 林 克彦  東京理科大学, 生命科学研究所, 助手 (20287486)
柳田 誠  キリンビール株式会社, 医薬開発研究所, 部長補佐
キーワードアレルギー / マスト細胞 / シグナル伝達 / IgE受容体
研究概要

SLP-76ファミリーに属するアダプター分子MISTは、I型アレルギーの初期反応である肥満細胞の脱顆粒に至るFcεRIシグナル伝達において重要な役割を担っている。本研究では、抗アレルギー剤創薬の標的としてMISTと相互作用する分子のFcεRI受容体シグナル伝達における機能的関連性について解析を行い、またスクリーニング系を構築してMIST機能阻害物質の探索を行った。
1.マウスMISTを高発現させたラット肥満細胞株RBL-2H3細胞の抽出液から免疫沈降法により、MISTと会合する二つの主要なチロシンリン酸化蛋白(160kDaならび55kDa)を分離・精製した。それらのアミノ酸配列を決定した結果、160kDaの分子はSLAP130、55kDaの分子はSKAP55のラットホモログであることが判明した。COS細胞にこれら分子をLynと共に発現させて結合様式を解析したところ、MISTとSKAP55の会合にはSLAP-130の存在が必要であり、MISTとSLAP130の会合にはSKAP55は必要ないこと、また、MISTのSH2ドメイン変異体ではこれらの会合が認められないことから、MISTはSH2ドメインを介してSLAP130に会合し、SLAP130を介してSKAP55と会合することが判明した。さらに、MISTはSLAP130およびSKAP55を介して、Lynに間接的に会合し、その結果、LynによるMISTのチロシンリン酸化が増強することが明らかになった。RBL-2H3細胞においては、FcεRI刺激前からMIST-SLAP130-SKAP55からなるシグナル分子複合体が検出され、FcεRI刺激後1分以内に、MISTを含むこれらの分子はLynと4分子複合体を形成することが明らかになった。
2.FynおよびLynを発現するマスト細胞においては、MIST/SKAP55/SLAP-130複合体は優先的にFynと結合し、Fynの下流のFcεRIシグナル伝達に関与することが判明した。
3.Yeast two-hybrid法により、MISTはSrcキナーゼであるc-fgrおよび細胞質内phosphataseであるSHP-2と会合することが判明し、マスト細胞におけるそれらの会合も確認された。
4.MIST遺伝子のプロモーターに結合する転写因子をYeast one-hybrid法を用いて解析した結果、ホメオドメインをもつMeis1が結合することが確認された。Meis1欠損マスト細胞においてはMIST遺伝子の発現が認められないことから、Meis1はマスト細胞におけるMISTの発現に必要であることが明らかになった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Caprioli A, et al.: "Expression of Notch genes and their ligands during gastrulation in the chicken embryo"Mechanism of Development. Vol.116. 161-164 (2002)

  • [文献書誌] Hayashi, K. et al.: "SMAD1 signaling is critical for initial commitment of germ cell lineage from mouse epiblast"Mechanism of Development. Vol.118. 99-109 (2002)

  • [文献書誌] Fujii, Y. et al.: "Targeting of MIST to Src-family kinases via SKAP55-SLAP-130 adaptor complex in mast cells"FEBS Letters. (In press). (2003)

  • [文献書誌] 後飯塚 僚: "MISTによるマスト細胞機能の制御"アレルギー科(科学評論社). 319-324 (2002)

  • [文献書誌] 後飯塚 僚: "アダプター分子MISTによる免疫細胞機能の制御"免疫2003(中山書店). 94-103 (2002)

  • [文献書誌] 後飯塚 僚: "BASH/SLAP-76ファミリーアダプター分子MISTによる免疫細胞機能制御"Annual Review免疫2003(中外医学社). 9-16 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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