研究課題/領域番号 |
12557034
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小泉 昭夫 京都大学, 医学研究科, 教授 (50124574)
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研究分担者 |
塩谷 隆信 秋田大学, 医療技術短期大学, 教授 (90170852)
吉永 侃夫 京都大学, 医学研究科, 助教授 (30025663)
山田 祐一郎 京都大学, 医学研究科, 助教授 (60283610)
和田 安彦 兵庫医科大学, 助教授 (10261653)
大浦 敏博 東北大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (10176828)
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キーワード | 遺伝疫学 / 嚢胞性腎症 / 創始者変異 / Osler-Rendu-Weber病 / LPI / 早期診断 / マススクリーニング / 家族性甲状腺腫 |
研究概要 |
疾患における責任遺伝子座の位置の決定はヒューマンゲノムプロジェクトが完了しつつ有る現状では場所の特定で候補遺伝子はほぼ確定する。そのため責任遺伝子の存在場所の決定は必要性をますます増しつつある。我が国においては希な疾患の発症者は、地域内では同祖的遺伝子を有する場合が多い。本研究は、我が国固有の文化的歴史的背景に着目し、1)新しい遺伝子座の決定、2)創始者効果の検証、3)モデル疾患のマススクリーニングの3点を行う。 1)原因不明の地域特異的甲状腺腫:同一の形質を示す同一地域に在住する2家系について、全ゲノムについて連鎖解析を行い新たな遺伝子座を見いだした。現在候補遺伝子の配列決定を行いつつある。 2)Plucystic Kidney:関西地域における8家系の17名の協力を得て遺伝子異常の検出を試みている。その結果現在までに5家系において変異を認めている。これら変異には創始者変異と思われるものは見いだせなかった。 3)創始者効果の検討:Osler-Rendu-Weberは東北地域において地域クラスターが存在するため、創始者変異について検索した。7家系23名の参加を得て連鎖解析および変異の探索を行った。その結果、5家系に4つの変異を認めた。創始者変異は認められなかった。 4)マススクリーニング:岩手県東北部においてヘテロ保因者のマススクリーニングを行いR410Xの変異の頻度を求めたところ、約1%と高頻度にヘテロ保因者を見いだした。y+/LAT1ヘテロ保因者の創始者変異が高頻度に認められたため、単一の遺伝子変異の検出でよく費用は約80円と廉価である。岩手県東北部では4万人に1名の割合でLPIを持った新生児が生まれると考えられるため、約320万円で1名の患者を早期発見でき極めて効率のよい方法である。
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