研究分担者 |
関口 智嗣 電子技術総合研究所, アーキテクチャ部, 主任研究員
合田 憲人 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 講師 (80247212)
松岡 聡 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (20221583)
建部 修見 電子技術総合研究所, アーキテクチャ部, 研究員
田中 良夫 電子技術総合研究所, アーキテクチャ部, 研究員
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研究概要 |
本研究は、今後の国際的な研究協力関係の構築も視野に入れて、IMnetおよびTransPACの上に超広域分散コンピューティング環境インフラストストラクチャ構築(Grid)を目的とするとともに、その上でのグローバルな情報・知識共有システム構築技術を開発することである。本分野はグローバルでオープンな世界であるため、技術の国際的標準化が極めて重要である。そのためには、ソフトウェアなどの開発に加えて標準仕様の提案なども重要になる。超広域分散コンピューティング構築のためには、拡張性、通常のセキュリティ、対故障性、Heterogeneityなど、従来の分散コンピューティングの研究で行われてきた研究を具体化するのみならず、それらがあまり扱ってこなかった新たな研究が必要になってくる。 2000年度は、複数の管理ドメイン・管理ポリシィ、新しいセキュリティの要請(不特定ユーザ・モービルコード・サイトの独立性・複数の管理ドメイン)、高性能(単一アプリケーションの高性能計算とシステム全体の高スループット)、高バンド幅高レーテンシへの対応、資源配分(計算資源・リモートセンサーなど)などの技術を開発した。たとえば、資源配分に関しては、計算・センサー資源がExclusiveでかつ資源のavailabilityは動的に変化し、さらにグローバルビューの欠如する中で、Co-Allocation(同時に資源要求)、NQS,LSFなど各種OSのスケジューラとの協調しつつ、性能を維持する「最適化」された資源配分、スケジューリング技術を開発した。これは従来の研究やWWW技術、およびORB技術(CORBA,DCOM,Java RMIなど)はほとんど扱っておらず、のみならずGridの研究でも未完成な領域であるが、我々はメタサーバー機構による超広域計算スケジューリングや、Queueingモデルに基づいたシミュレーション、および実際のベンチマーキングなど、数々の研究を行い、評価を得た。 今後は、自分の処理目的を達成するために、世界規模の計算資源(ハードウェア資源:プロセッサ、ストレージ、などなど。ソフトウェア資源:プログラム、データ、などなど)を自由に組み合わせて利用できる環境を実現する。
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