研究課題/領域番号 |
12572031
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
加藤 光一 信州大学, 農学部, 教授 (60244836)
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研究分担者 |
佐々木 隆 信州大学, 農学部, 教授 (70153989)
木村 務 長崎県立大学, 経済学部, 教授 (20140931)
小坂 直人 北海学園大学, 経済学部, 教授 (20142911)
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キーワード | 農家自営兼業型中小企業 / 中国大陸投資 / 労務管理 / 離職率 / WTO / 幻想としての市場 |
研究概要 |
本年度は、台湾における自営兼業農家の調査を、台北地区、台中地区、高雄地区の3地区について調査を実施した。実施した農家のうち、海外への投資を行っている実態を中心に聞き取りした。 その中で、中国大陸に投資している農家の中国大陸での問題、とりわり労務管理は極めて難しいということであった。第1に、同じ中国語を利用し、同じ民族であるが、品質管理や在庫管理が難しいということであった。第2に、離職率の高さは、経営計画にマイナスに働くのではなく、むしろ賃金の上昇を抑える上で、プラスになっている。とりわけ華南地区での労働市場は、買い手市場のために、優秀な若年労働力をすぐ供給することが出来る。第3に、中国のWTO加盟は、台湾資本にとっては、市場の拡大という意味では、極めて有望であるが、その市場形成は、台湾資本よりも、成長著しい中国国内企業の台頭で、有望な市場は、台湾資本にとってはどれほど実質的であるかは疑わしい。その点からすれば、中国市場とは「幻想としての市場」になる可能性がある(外国資本、とりわけ日本も含めて)。 華南に進出している台湾系企業のみではなく、それとの競争関係にある日本資本の動向も調査した。それについては、2001年度土地制度史学会秋期大会報告をおこなった(報告テーマは「華南経済圏における日系企業の労務管理と中国人労働者の意識構造」)。また、中部農業経済学会大会報告で、「グローバリゼーションとリージョナリゼーション・ローカリゼーション」というテーマで、中国・台湾・韓国・日本との関係で、どのようなことがもたらされるかも検討した。
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