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2002 年度 実績報告書

ビルハルツ住血吸虫症―流行地の住民への浸潤程度が明らかにされるべき病害の疫学調査

研究課題

研究課題/領域番号 12576007
研究機関長崎大学

研究代表者

青木 克己  長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (90039925)

研究分担者 金武 洋  長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (50100839)
門司 和彦  長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (80166321)
嶋田 雅暁  長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (70124831)
浜本 満  一橋大学, 社会学部, 教授 (40156419)
渡部 幹次  長崎大学, 熱帯医学研究所, 助手 (70325679)
キーワードビルハルツ住血吸虫症 / 病害 / 血尿 / 超音波画像 / 残尿 / 排尿困難 / アンケート / 尿流量測定
研究概要

ビルハルツ住血吸虫症の病害は専ら血尿と尿路系の超音波画像を指標として測定されている。しかしこれらの指標は流行地住民からは重篤な病害と認識されていない。住民が重篤と考えている病害をアンケート調査で調べ、それらの病害が実際にどの程度重篤で、人々を悩ませているかを明らかにすることが本研究の目的である。平成12年度に住民が「住血吸虫感染は死亡率が高い」と認識していることを受けて行った膀胱癌調査で、ケニアのビルハルツ住血吸虫症流行地では日本の100倍も高い膀胱癌の発生がおこっていることが明らかとなった。平成13-14年度は住民の多くが訴える排尿困難について定性的、定量的観察を行なった。平成13年と14年に行なった調査結果をまとめて解析したデータをここに示す。
1)International Prostate Symptoms Score(I-PSS)を用いた排尿困難アンケート調査結果:
住血吸虫症流行地に住む学童(男子82名)は、非流行地の学童(男子40名)に比し、排尿困難症状を訴える(I-PSS総点8点以上)者が有意に多い。排尿困難調査7項目(残尿感、頻尿、尿流の途切れ、排尿切迫、尿流線の細さ、排尿のための力み、夜尿)すべてで流行地の学童が高い値を示した。
2)尿流量を用いた排尿パターン(排尿機能)の測定結果:
流行地に住む学童の排尿パターンと非流行地に住む学童のパターンを種々のパラメータを用いて比較した。違いが認められたのは唯一、尿意をもよおしてから排尿までの時間の短縮が流行地の学童にみられたのみであった。
3)超音波による膀胱残尿量の測定結果:
流行地の学童と、非流行地の学童で違いはみられなかった。
以上の結果より、住血吸虫感染により、住民は刺激性の排尿困難を訴えるが、排尿機能は正常に保たれている事が明らかとなった。大人では排尿時間の延長が感染者でみられるが、住血吸虫感染によるものとの断定は出来ない。

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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