研究概要 |
小学校音楽に関しては,前年度のアンケート調査で明らかになったデータを踏まえながら,引き続き授業観察と聞き取り調査を行った。また,校内研修や地域単位の研究会にも参加し,取組みの現状,教師の課題意識に迫ることができた。調査を行った学校に限っていえば,前年度に比較して,はるかに「現実」から出発した実践研究が展開されていた。なお,前年度から続けている小学校音楽に関する調査結果の一部は,『教育音楽・小学版』(音楽之友社)の2001年3月号から8月号に,「これが小学校音楽の現状と課題だ!」(共著)として連載した。中学校音楽に関しても今年度は,授業観察と聞き取り調査に絞って,学校や教師の実践レベル,意識レベルにまで踏み込んだ実践研究を行った。音楽科にとっては,授業時数の削減,「総合」とのかかわりに加えて,和楽器の導入にどう取り組むかが大きな課題となっている。こわ問題に関しては,物理的な条件や地域・学校の環境の違いも大きく,さらに量的な調査方法も加えたアプローチが必要である。小中学校に共通して,特に今年度後半から新しい「評価」への取組みが重要な課題となって顕在化してきている。音楽科の評価に関する実証的な追究も今後視野に入れる必要がある。
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