研究課題/領域番号 |
12610248
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研究機関 | 東京芸術大学 |
研究代表者 |
佐野 靖 東京芸術大学, 音楽学部, 助教授 (80187278)
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研究分担者 |
福井 昭史 長崎大学, 教育学部, 教授 (00218885)
本多 佐保美 千葉大学, 教育学部, 助教授 (90272294)
西島 央 東京大学, 大学院・教育学研究科, 助手 (00311639)
山下 薫子 静岡大学, 教育学部, 助教授 (90283324)
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キーワード | 学校音楽 / 質問紙調査 / 授業観察 |
研究概要 |
2002年度より小・中学校の新教育課程が本格実施されたのを受けて、今年度は調査対象地域と学校を広げながら、従来どおり、聞き取り調査を中心とした調査を継続した。また、アルバイトを活用して、収集した資料の整理、インタビュー等聞き取り調査のテープ起こし、データ入力等の作業を進めた。さらに、研究分担者との研究の進捗状況、ならびに研究報告書のプロット等に関する意見交換を行いながら、報告書のまとめに取り組んだ。 調査対象となる地域、学校に関しては、総合的な学習への取組みや和楽器の取扱い、さらには新しい評価の在り方などにかかわって特色ある取組みを展開している学校現場を調査研究するために、富山、新潟、福島、愛知、長野などの学校にも出かけ、教育現場の現状、課題、問題克服への視点などについて、聞き取り調査を行うとともに、実践の先生方と議論を重ねた。授業時間数が縮減された中、総合的な学習への取組みも加わり、課題克服に向けた試行錯誤の実践が展開されているが、昨年度に比較すれば、その対応が進んでいることが聞き取り調査からも明らかとなった。ただし、2002年度における教育現場の最大の関心は、今年度より導入された、目標に準拠した絶対評価の問題である。小・中学校は、相当の混乱状況にあり、そのため実践での聞き取り調査においても、関心の高い評価に関する質疑応答が多くを占めるようになった。地域、学校段階によって問題状況もさまざまであるが、概して、「おおむね満足」の評価規準を用いた観点別評価は、小学校音楽においては従来の経験を踏まえて着実に浸透しつつあるように思える。それに比べて、中学校音楽に関しては、どうしても内申・受験にかかわる評定の問題と絡み、また教科間の温度差、選択音楽の在り方とも相俟って、より深刻な問題であることが明らかとなった。
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