研究課題/領域番号 |
12610335
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
有馬 学 九州大学, 大学院・比較社会文化研究院, 教授 (80108612)
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研究分担者 |
中村 尚史 埼玉大学, 経済学部, 助教授 (60262086)
山室 建徳 帝京大学, 理工学部, 講師 (80158261)
季武 嘉也 創価大学, 文学部, 教授 (40179099)
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キーワード | 近代日本 / 地域社会 / 政党 / 選挙 / 地方名望家 / 企業勃興 / 福岡県 / 永江純一関係文書 |
研究概要 |
本研究は、近代日本の政治構造と地域社会の関係について、主として福岡県をフィールドに通事的かつ実証的に分析しようとするものである。やや具体的には、いわゆる地方名望家の政党活動と経済活動を包括的に検討することを目指している。そのための中核的な史料情報の整理として、従来から作業を継続していた、一万点を越えると思われる永江純一関係文書のデータベース化を行った。 次に、各研究分担者の研究実績の概要を述べる。有馬学は既発表論文「第二回総選挙における永江純一の遭難手記」(『九州文化史研究所紀要』44)において、初期議会期において政党の地方的な対抗関係を規定する重要な要因となったと思われる、第二回総選挙をめぐる構想の実体を明らかにした。またこれまで知られていなかった地方新聞の調査を行い、『柳河新報記事目録』I、II(柳川市)を刊行し、解説を執筆した。季武嘉也は既発表論文「日本の選挙制度の変遷」(『歴史と地理』547)において、近代日本の選挙制度の歴史についてこれまでの成果に基づいて概観した。また史料集として『三島弥太郎関係文書』を編纂刊行した。山室建徳は既発表論文「日露戦争の記憶 杜会が行う<現代史教育>」(『帝京大学文学部紀要 教育学』26)において、日露戦争をめぐる語りの構造を分析し、戦争の記憶が「戦後」の社会的統合を強化するプロセスを明らかにした。中村尚史は刊行予定論文「地方の企業勃興」(武田晴人編著『地域の社会経済史』2002年5月刊行予定)において、地方における企業勃興とその結果誕生した地方企業の展開過程を、担い手に注目しつつ分析し、工業化の初期段階における地域社会の役割を明らかにすると共に、本共同研究の方向性を明示した。
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