本年度(平成12年度)の研究では、研究計画の予定にしたがって、福岡県介護保険広域連合に関する調査を、福岡県下の全97市町村に対するアンケート、および、一部の市町村へのヒアリングにより行った。まず、アンケート調査は、介護保険事業の実施に当たり、広域提携を通じてサービスの供給や審査を行うかどうか、広域連合に参加している自治体が事業の管理運営をどのように遂行しているか、そして、広域連合をどう評価するか、といった施策の立案から評価に至るまでの政策過程全般を質問調査したものである。アンケートは2001年2月に実施し、広域連合から直接的な協力は得られなかったものの、44自治体から回答が寄せられ(うち有効回答は43で回収率47%、広域連合参加72自治体のうち有効回答数32で回収率73%)、郵送調査にしては予想を上まわる高い回収率であった。2000年度末の段階で、単純集計、クロス集計、自由記述の集計が終了したところであり、詳細な分析は次年度に行うことにしている。ただ、施策の評価については決算が終了していない事から、次年度のヒアリングで補うことにする。つぎに、ヒアリング調査は端緒についたところで、対象はいずれも広域連合に参加していない自治体の首長と職員であった。アンケート調査が少し遅れたこともあり(調査票にインタビューの可否を問う項目を載せている)、参加自治体へのヒアリングについては来年度にならざるを得ない。また、福岡県との比較のためのレファレンスとして、他県(とくに大分県)における介護保険の広域連合・提携の調査については、福岡県での現状分析を踏まえたうえで問題点を整理してから実施した方が効果的と思われるため、来年度に廻すことにする。
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