本年度は、来年度実施するアンケート調査のための準備を行った。その為の文献のサーベイを行った。特に過去に行われた国民生活基礎調査やRAND Health Insurance Experimentの調査手法を詳細に検討し、調査票の試案を作成した。現在検討されている調査内容は以下の通りである。調査客体は200世帯400名程度で、調査会社のモニター契約世帯を用いる。調査期間は4月から12月とする見込みである。調査対象とする疾患は軽医療に限定し、特に風邪、花粉症、胃の痛みやもたれ、頭痛、生理痛、肩や首筋のこり、背中や腰の痛み、便秘、下痢、眼精疲労、水虫・魚の目、アトピー性皮膚炎、虫刺され、あせも、じんましん、ケガ(切り傷、擦り傷)、火傷、打ち身・ねんざ、痔、結膜炎、虫歯、歯肉炎等を予定している。また、同時に自覚症状42種類、既往症47種類、受診した医療機関の情報、治療費、治療内容、通院・待ち・治療時間、症状が最初に生じた年月、期間、発熱、日常生活中断の有無、就床の有無、対応、予防行動(生活習慣、運動習慣、歯磨きの習慣、ストレス、たばこ・飲酒習慣(歴))、その他の情報として年齢、性別、世帯所得、資産、持ち家、就業状態、労働所得、学歴等、健康評価を収集する。特に歯科における自費診療に関しては、本研究の趣旨である医療需要からはずれるが医療供給側の分析としても興味深い。また、国際比較を行うためのRAND Health Insurance Experimentのデータを取得し、そのコードブックや解説書を収集し、データベース化した。来年度は、上記の調査と平行して分析を行う。同時にボリビアに関する分析も行う。
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