研究分担者 |
難波 誠 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60004462)
山崎 洋平 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00093477)
山本 芳彦 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90028184)
小川 裕之 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70243160)
藤原 彰夫 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30251359)
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研究概要 |
本研究の目的は,代数的な等質空間において数の幾何の理論とアデール解析的な手法を使い,整数点の分布状態や高さの評価を与えることであった.本年度の研究により次の2つの新しい知見が得られた. 1自然数nを固定して,有理数体Qと有限次代数体Kにそれぞれ付随するエルミート定数をγ(n,Q),γ(n,K)とするとき,その間にγ(n,K)[K:Q]≦C(K)γ(n,Q)なる不等式が成り立つことを証明した.ここでC(K)はKの判別式から定まる定数である.この不等式と従来知られていたγ(n,K)の下からの評価を合わせると,本来のエルミート定数γ(n,Q)の新しい下からの評価が得られる.この評価は古典的なMinkowski-Hlawkaの評価の拡張になっている. 2有限次代数体K上の有限次中心的斜体Dを固定する.D上n次元のベクトル空間の中のd次元部分空間のなす集合から従うBrauer-Severi多様体をBS(n,d,D)とする.この多様体上のK-有理点の高さの最大値から,一般エルミート定数γ(n,d,D)が定義される.これについて次の3つの結果を示した. (1)双対性:γ(n,d,D)=γ(n,n-d,D'),ただしD'はDの反多元体とする. (2)Rankin型不等式:γ(n,d,D)≦γ(m,d,D)(γ(n,m,D))^(d/m). (3)γ(n,d,D)の上からの評価式.
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