研究課題/領域番号 |
12640058
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
田崎 博之 筑波大学, 数学系, 助教授 (30179684)
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研究分担者 |
保倉 理美 福井大学, 工学部, 助教授 (00191122)
守屋 克洋 筑波大学, 数学系, 助手 (50322011)
芥川 玲子 (相山 玲子) 筑波大学, 数学系, 講師 (20222466)
井川 治 福島工業高等専門学校, 一般科, 助教授 (60249745)
東條 晃次 千葉工業大学, 工学部, 講師 (30296313)
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キーワード | 等質空間 / 変分問題 / 対称空間 / 極小曲面 |
研究概要 |
研究代表者は積分幾何学の手法を等質空間内の変分問題に応用するために、Poincareの公式等の積分公式の具体的な表示に関する研究を進めた。複素射影空間内の実曲面に対してそのKahler角度を使って、Poincareの公式の具体的表示を求めた。さらに一般次元の部分多様体に関するPoincareの公式を表示するために、Kahler角度を拡張した概念:多重Kahler角度を導入した。この多重Kahler角度の基本的性質を調べる際に、ユニタリ群のGrassmann多様体への自然な作用がHermann作用になるということが重要な役割を演じた。そこで、分担者:井川と共同でコンパクト対称空間のHermann作用の軌道の幾何学を研究した。さらに、群作用の軌道を研究するとき、その作用の切断面を調べることは基本的であり、切断面は全測地的になることが知られている。上の研究をさらに進めるため井川と共同で対称空間の全測地的部分多様体の分類を試み、ある種の対称空間の最大階数全測地的部分多様体の分類を完成させ、発表した。このように群作用の軌道の幾何学を積分公式の具体的表示へ応用することが、今後重要になると思われる。関連した研究として、分担者:東條は内部型のコンパクト三対称空間のある種の全実全測地的部分多様体を第2種の階別単純Lie環を用いて構成および分類した。また、分担者:保倉は複素単純リー代数の随伴多様体の割線多様体について、射影随伴作用による軌道分解を行ない、軌道の閉包関係を決定した. 極小曲面や平均曲率一定曲面に関しては、分担者:相山が各種の標準的な空間内の曲面の表現公式(Kenmotsu-Bryant型表現公式)をGauss写像等を使って表示した。また、分担者:守屋はR^3内のある種の完備有限全曲率極小曲面のモジュライ空間の次元の評価式を与えた。
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