研究分担者 |
酒井 一博 宇都宮大学, 教育学部, 助教授 (30205702)
落合 昭二 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (30031545)
相原 義弘 沼津工業高等専門学校, 教養科, 助教授 (60175718)
藤平 秀行 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (70114171)
白相 岳男 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (50007960)
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研究概要 |
近年,3次元単位球面S^3の群構造を基にして,S^3内のすべての平坦トーラスを構成する方法が開発された.その後の研究により,この構成法を応用した成果が数多く得られ,S^3内の平坦トーラスの研究は著しく進展した.これらの研究をさらに発展させ,部分多様体論と他分野との新たな関連を発見することが本共同研究の主要な目的である.以下,本年度研究実績の概要を述べる. 北川義久は,S^3内の平坦トーラスの全平均曲率(平均曲率の積分)について研究した.向きづけられた任意の平坦トーラスMに対して,MからS^3への等長はめ込みの全平均曲率として実現される実数全体の集合が高々可算であることを証明し,さらに,S^3内の平坦トーラスの全平均曲率はいかなる等長的変形によっても不変であることを示した. 相原義弘は,S.Moriと共同で,除外因子を持つ複素射影空間に値を持つ有理型写像の構成の研究を行い,任意の効果的因子に対してその因子より定まる範囲にある1より小さい実数を除外指数を持つ有理型写像が常に構成できることを示した.これを用いて除外指数の評価が特異点を持つ因子の場合には成立しない例を構成した.更に特異点を解消した場合について考察し除外指数の評価式が成立することを示した. 酒井一博は,K.Moriyasu,N.Sumiと共同で,力学系理論の幾何学的研究を行い,擬軌道追跡性よりも強い"位相安定性"を満たすベクトル場はC^1開条件のもとでAxiom Aと強横断性条件を満たすことを示し,位相安定性を満たすベクトル場を幾何学的・解析的に特徴付けした.
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