研究概要 |
平成12年度の本研究は以下のように実施した。 まず,研究すべきCoupled K-Theoryの範囲を設定するために,どのような非線形作用の研究への応用があるか,研究情報の収集から始めた。このため牛瀧文宏氏,原靖浩氏らに群作用についての最近の研究成果を提供して貰った。また枡田幹也氏,高倉樹氏,北田泰彦氏,長崎生光氏,川上智博氏,山川あい子氏,土屋信夫氏と共にワークショップ K-Theory and Its Applications to Transformation Groups を行い,互いの研究成果を交換した。またCoupled K-Theoryの代数的構成のアドバイスを得るために,本願基司氏とAnthony Bak氏に専門知識の提供をして貰った。さらにKrzysztof Pawlowski氏からも球面上の非線形作用の構成に関して研究情報の提供をして貰った。 これらの研究情報をもとに,基本群が有限群の,あるいはそれに近いものの,コンパクト同変多様体におけるホモロジー同値写像を得るための同変手術障害類を記述するCoupled K-Theoryの研究をすべきであるという確信を得た。 その設定のもとで,階数が2のquadratic modulesの研究を始め,標準型のquadratic modulesの分類ができた。そしてこの標準型のquadratic modulesがquadratic modules全体の中でcofinalであることが証明できた。 現在,quadratic modulesがラグランジアンを持てば,安定的には標準型のquadratic modulesの直和であることを研究している。
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