研究課題/領域番号 |
12640167
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
竹内 茂 岐阜大学, 教育学部, 教授 (30021330)
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研究分担者 |
清水 悟 東北大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (90178971)
畑田 一幸 岐阜大学, 教育学部, 教授 (40144000)
志賀 潔 岐阜大学, 工学部, 教授 (10022683)
愛木 豊彦 岐阜大学, 教育学部, 助教授 (90231745)
藤本 圭男 岐阜大学, 教育学部, 助教授 (90192731)
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キーワード | CRベクトル空間 / CRカテゴリー / カテゴリ的複素化 / カテゴリ的単射 / カテゴリ的像 / カテゴリ的全射 / CR接空間 / CR多様体 |
研究概要 |
研究の最終目的である、リー群の等質空間に不変なCR構造が入るための必要十分条件を求め,複素アフィン空間上の多項式係数ベクトル場からなる有限次元リー環の特徴を明らかにし、ある領域がそのリー環に関して完備になるための条件を求めるために、当面必要とされるCR多様体の(余)接束の基本的な性質を、カテゴリー論的な立場からある程度まで明かにしたことが、、研究成果の主要なものである。またそれに関連する分担者毎の成果もここでは詳述しないが、、業績リストにあるように、いくつか得られている。スペースの関係で、研究代表者の結果のみ具体的に述べる。 CR多様体を複素多様体の一般化とみなし、その特性を無限小変換のなすリー代数の作用の立場から明らかにするために、研究方法として、圏や射、関手を用いて既知の理論や概念を整理し、新しい観点の提起と問題の定式化、またそれらの解決を試みた。研究実績の概要を、時間的な経過に従って箇条書きに列挙すれば、以下の通りである。 1)CRベクトル空間のテンソル積を構成し、またそれらが双対化の議論とどう関係しているかを、集合論的な構成をカテゴリー論的に解釈することによって明らかにした。また、複素正則ファイバーバンドルに関するセール予想の一般化を、構造群を有限次元(複素)リー群に限定し、更にいくつかの群論的な条件の付加のもとに行った。 2)それまでのCRベクトル空間の議論を一般のCR多様体に適用し、テンソル積や双対空間などの概念を使って、エルミットCR多様体の幾何学と大域解析学を展開するために必要と思われる、基本的な概念を導入することを試みた。 3)CRカテゴリーの双対カテゴリーであるDRカテゴリーの集合論的な定式化を行い、その基礎の上に立って、双対的な命題の集合論的な証明をいくつかの基本的なものに限定して行った。 4)複素多様体上の正則ベクトル場の一般化として、CRリー代数の定式化とその基本的な性質の解明は筆者らによって、以前行われたが、今後更に必要とされる可能性のある、その双対カテゴリーであるDRリー代数に関する議論を新たに展開し、特にその集合論的な表現の特性を明らかにした。
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