研究課題/領域番号 |
12670885
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
奥村 寛 長崎大学, 医学部, 教授 (00073130)
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研究分担者 |
竹下 哲史 長崎大学, 地域共同研究センター, 助教授 (20295083)
井原 誠 長崎大学, 医学部, 助手 (60175213)
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キーワード | scid細胞 / 放射線感受性 / 重粒子線 / DNA二重鎖切断 / DNA-PK活性 / RBE |
研究概要 |
scidマウスは、B細胞およびT細胞の免疫不全の劣性遺伝病を持つ。このマウスから確立したscid細胞は、X線に対して高感受性を示す。scid細胞にヒト8番染色体を導入したscidハイブリッド細胞は、親株と同じ程度に放射線感受性は回復する。scid細胞は、DNA依存性プロテインキナーゼ(DNA? PK)が欠損しており、この欠損がX線に対して高感受性を示す原因である。我々は、ATM、DNA? PKなどのPI3キナーゼファミリーのリン酸化阻害剤であるwortmanninをX線及び高LET放射線照射時に併用し、scid細胞及びscidハイブリッド細胞の放射線増感効果を解析した。 細胞はscid細胞とscidハイブリッド細胞を用いた。高LET放射線は、炭素線290MeV/uを用い、LETが50keV/micromで照射した。wortmannin(20micro M)は、照射2時間前に培地に加え、照射後コロニー形成の段階まで処理した。放射線感受性は、D_0.01線量(Gy)で評価して解析した。 その結果、(1)X線及び高LET放射線に対して、scid細胞の方がscidハイブリッド細胞より高感受性を示したが、wortmannin処理による放射線感受性は高くなり、両細胞においてほぼ同じとなった。(2)wortmannin処理による放射線増感効果は、X線よりも高LET放射線の方が大きく、また、scid細胞とscidハイブリッド細胞の方が大きかった。
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