研究課題/領域番号 |
12670913
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
今井 茂樹 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (00168494)
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研究分担者 |
白井 博志 川崎医科大学, 医学部, 助手 (30278931)
業天 真之 川崎医科大学, 医学部, 助手 (10319957)
梶原 康正 川崎医科大学, 医学部, 教授 (60030912)
梅谷 啓二 財団法人高輝度光科学研究センター, 実験部門, (研究職)主幹研究員
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キーワード | 放射光 / 単色X線 / 微小血管造影 / 腫瘍 / 腫瘍微細血管構築 |
研究概要 |
【目的】単色X線を用いた腫瘍の微小血管造影により腫瘍の発育に伴う微小血管の変化や微小血行動態を評価する。 【方法】実験モデルは、日本白色家兎の耳介に移植したVX2耳介腫瘍を用いた。腫瘍発育に伴う腫瘍血管の変化を観察するために、腫瘍移植前の正常例と移植後1日目、3日目、7日目の各5羽を対象とした。ペントバルビタールによる静脈麻酔を行い、耳介動脈に経皮的に血管留置針を挿入し、造影剤を注入しながら微小血管造影を行った。X線源は33.3keVの単色X線を用い、検出器は撮像視野10x10mmのCCDカメラ(matrix 1024 x 1024)を用いた。造影剤は非イオン性ヨード造影剤(イオメロン400^<【○!R】>)を用い、注入速度は0.2ml/secとし、4秒間注入した。撮像時間は10秒間とした。 【結果】単色X線での描出可能な最小血管径は30μmであった。VX2耳介腫瘍は移植後1日目では腫瘍経は約2mmとなり、腫瘍部位に一致して軽度の血管増生がみられ、動静脈シャントも確認された。移植後3日目では、約5mm成長し、腫瘍全体に屈曲蛇行した血管が密に認められた。移植後7日目では、約10mm腫大し、腫瘍辺縁部に屈曲蛇行し、拡張した血管が認められ、中心部は屈曲蛇行が著しい30μm程度の微小血管が散在性に観察された。動静脈シャントも多く出現していた。また、いずれの時期においても、腫瘍血管は静脈相で出現しており、腫瘍血管は静脈血流が主体と考えられた。 【結論】単色X線による微小血管造影は、腫瘍の微細血管構築や血行動態の評価に有用であり、臨床での腫瘍の早期診断に有用と考えられた。この方法は、臨床における悪性腫瘍の早期診断に有用と考えられた。また、抗癌剤や血管新生阻害剤投与による腫瘍血管の変化も観察可能と考えられ、今後検討する予定である。
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