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2001 年度 実績報告書

甲状腺癌における癌転移メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 12671089
研究機関長崎大学

研究代表者

芦澤 潔人  長崎大学, 医学部, 助手 (10304932)

研究分担者 江口 勝美  長崎大学, 医学部, 教授 (30128160)
江島 英理  長崎大学, 医学部・附属病院, 助手 (30231187)
キーワード甲状腺癌 / 転移機構 / 遊走能 / ラミニン / 細胞接着因子 / オステオポンチン / 骨転移 / 乳頭癌株
研究概要

甲状腺癌細胞の走化性の検討
甲状腺癌細胞の浸潤機構を解析するためにケモタキセルを用いて浸潤能を定量化し検討した。甲状腺癌細胞株としてTPC-1(甲状腺乳頭癌株)、WRO(甲状腺濾胞癌株)、FRO(甲状腺未分化癌株)を使用した。また可溶性成分として用いるケモアトラクタントにはEGF、HGFの成長因子と、基底膜に豊富に存在するラミニンなどの細胞接着因子を選択した。ケモアトラクタントとしては、HGFにて多少遊走能が強まる傾向がみられた。またラミニンにより明らかに遊走能が強まった。特にTPC-1ではラミニンによりWRO、FROに比し有意に遊走能が増強され2時間後には、既に遊走が始まっていた。臨床的には未分化癌、濾胞癌の転移浸潤能が強いが、TPC-1(乳頭癌株)が特にラミニンに強く反応することは、この研究で初めて明かとなり、乳頭癌における転移にラミニンが関与することが示唆され、今後の転移の予防に対する因子の一つとして考慮する必要がある。
甲状腺癌におけるオステオポンチンの発現
オステオポンチンは骨のリモデリングに重要な蛋白であり悪性腫瘍におけるオステオポンチンの関与が報告されている。乳癌では転移や予後と相関するとの報告があり、甲状腺癌におけるオステオポンチンの発現を免疫組織化学にて検討した。正常5例、バセドウ病5例、腺腫5例、乳頭癌10例(転移5例)、濾胞癌10例(転移5例)の免疫組織染色では正常、バセドウ病、腺腫では明かな陽性は認められなかった。乳頭癌3例、濾胞癌2例で陽性であり、いずれも転移が認められた症例であった。オステオポンチンは転移に関与する可能性が示唆され、更に症例を追加して検討を続ける。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Akane Ide: "Elevation of Serum Pro-Gastrin-Releasing Peptide in Patients with Medullary Thyroid Carcinoma and Small Cell lung Carcinoma."THYROID. 11・11. 1055-1060 (2001)

  • [文献書誌] Nobuko Sera: "Fas/FasL mediated apoptosis of thyrocytes in Graves' disease."Clin Exp Immunol. 124. 197-207 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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