研究課題/領域番号 |
12671342
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
峯 清一郎 千葉大学, 医学部・附属病院, 講師 (70190709)
|
研究分担者 |
村井 尚之 千葉大学, 医学部・附属病院, 助手 (80241967)
岩佐 博人 千葉大学, 医学部, 講師 (60203361)
山浦 晶 千葉大学, 医学部, 教授 (40009717)
湯浅 茂樹 千葉大学, 医学部, 教授 (70127596)
|
キーワード | Kindling / Neurogenesis / Bromodeoxyuridine / PSA-NCAM |
研究概要 |
てんかん原性獲得および二次性全般化にはadult neurogenisisと新生した神経線維による神経回路の再構築が関与しているとの仮説の下、ラット扁桃核キンドリングモデルを用い全般発作完成動物の海馬に着目し検討を加えてみた。 まずキンドリングにより海馬において細胞新生が増加していることを証明するため、全般発作が完成した動物にBrdUを腹腔内投与し、免疫組織学的手法を試みた。すると発作群では海馬歯状回の顆粒細胞層基底部に多数のBrdU陽性細胞を認めた。画像処理を行い単位面積あたりのBrdU陽性細胞数を比較したところ発作群における増加は有意であった。 さらに新生している細胞が神経細胞でありかつそこからの神経線維が新たなシナプスを形成し神経回路の再構築が起こっているかどうかを検討するため、幼弱な顆粒細胞に特異的でかつ苔状線維およびシナプスにも発現することが知られているポリシアル酸神経細胞接着分子(PSA-NCAM)を対象とした免疫組織染色を試みた。当初酵素抗体法を行い海馬歯状回顆粒細胞層基底部および苔伏線維に陽性所見を認めたがコントラストの不良により発作群と対照群とを比較することは困難であった。そこでコントラストを改善しある程度定量化を可能にすることを期待し蛍光抗体法を試みたところ、海馬歯状回顆粒細胞層基底部では幼弱な顆粒細胞が有意に増加していることが証明された。 苔状線維やシナプスにおける変化の検出はなお困難と考えられたが、蛍光抗体法において苔状線維の終末と思われる輝点の数を単位面積あたりで計測し比較することにより、未だ少数例ながら発作群と対照群の差が検出されつつある。また蛍光抗体法で見られる輝点が本当に苔状線維終末であることを証明する必要もあるが、対象部位の免疫電子顕微鏡法を行う方向で準備を進めているところである。
|