平成13年度までのMTH1遺伝子欠損マウスの解析の結果、体細胞におけるmutation frequencyが高くなることが明らかとなった。しかし、同時に行ったスペクトラム解析において、従来のHITECマウスがrun配列と呼ばれる繰り返し配列の欠失を特異的に検出する問題点も明らかとなった。平成13年度は(1)non-run HITECマウスの樹立、さらには新たに(2)mutation frequencyを測定する方法としてGFP遺伝子に変異を導入し復帰変異によって発色する細胞数の測定から遺伝子変異を測定する系の開発、を行った。 (1)に関しては新規のトフンスジェニックマウスを3ライン樹立しMTH1KOマウスにnon-run rpsL遺伝子を導入した固体を多数作出し、照射実験に入る準備が整った。 また一方でMTH1及びミスマッチ修復に関与するMSH2-/-マウスそれぞれにおいて4Gy照射後の♂マウスの妊孕性を調べた結果、MSH2-/-において照射後1週間後から著しい妊孕性の低下を検出している。(2)に関しても、全身で観察が可能なようにpol IIプロモーターを付けたEGFP遺伝子のトランスジェニックマウスを作出した。現在、発色基団に変異を導入しG→Aの復帰変異が起こると発色が確認されるプラスミドコントラクトを完了し、トランスジェニックマウス作出に入っている。
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