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2000 年度 実績報告書

多巣性運動ニューロパチーの伝導ブロックと抗GM1抗体の生理作用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 12672356
研究機関徳島大学

研究代表者

梶 龍兒  徳島大学, 医学部・附属病院, 教授 (00214304)

キーワード多巣性運動ニューロパチー / 筋萎縮性側索硬化症 / 大量ガンマグロブリン静注療法 / 抗GM1抗体 / 閾値電気緊張法(TE法) / chronic motor axonal neuropathy
研究概要

多巣性運動ニューロパチー(MMN)は筋萎縮性側索硬化症(ALS)に似た筋萎縮を示しながら、大量ガンマグロブリン静注療法で治療が可能な病態でその特徴として電気生理学的に伝導ブロックをともない、しばしば、神経軸索に存在するガングリオシドであるGM1にたいする抗体の上昇を伴う。
本年度は多巣性運動ニューロパチー患者において筋疲労現象が少なからずみられること、またそれが起こる機序が頻度依存性伝導ブロックであることを世界ではじめてヒトで証明した(業績3)。また、坑GM1抗体の作用機序の解明のための方法論の確立として、閾値電気緊張法(TE法)の動物モデルを開発した(業績1)。これにより、坑体などの液性因子が末梢神経軸索イオンチャネルにどのような生理学的な作用を及ぼすかが解明可能になった。
臨床的な業績として、伝導ブロックを示さないが、坑ガングリオシド抗体の上昇を伴い大量ガンマグロブリン静注療法で治療が可能な病態(chronic motor axonal neuropathy;CMAN)を報告した。これは従来筋萎縮症として治療はされなかった例であり、今後同様の患者を治療していくうえで重要な報告といえる。とくに、従来平山病として、免疫学的な治療法をうける機会がなかったような例でも大量ガンマグロブリン静注療法で治療出来た例があり、いわゆる「平山病」のなかにも、治療可能な例があると考えられる。また、平山病で特徴的な寒冷麻痺は、CMANにおいて脱分極性の伝導ブロックを想定すると説明がつくことも判明した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Yang Q,Kaji R,Hirota Y,Takagi T,Kohara N,Kimura J,Shibasaki H,Bostock H: "Effect of maturation on nerve excitability in an experimental model of threshold electrotonus"Muscle Nerve. 23(4). 498-506 (2000)

  • [文献書誌] Kaji R,Kusunoki S,Mizutani K,Oka N,Kojima Y,Kohara N,Kimura J.: "Choronic motor axonal neuropathy associated with antibodies monospecific for N-acetylgalactosaminyl GD1a"Muscle Nerve. 23(5). 702-706 (2000)

  • [文献書誌] Kaji R,Bostock H,Kohara N,Kimura J,shibasaki H.: "Activity-dependent conduction block in multifocal motor neuropathy"Brain. 123(pt8). 1602-1611 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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