研究課題/領域番号 |
12680076
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
由井 義通 広島大学, 教育学部, 助教授 (80243525)
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研究分担者 |
矢野 桂司 立命館大学, 文学部, 助教授 (30210305)
若林 芳樹 東京都立大学, 理学研究科, 助教授 (70191723)
神谷 浩夫 金沢大学, 文学部, 助教授 (40192546)
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キーワード | 東京大都市圏 / ジェンダー / 居住地選択 / シングル女性 / GIS / 都市地理学 / 住宅 |
研究概要 |
平成12年度は研究の打ち合わせと研究テーマに関する研究会を4回行い、研究計画の具体化の検討と各担当者の研究の中間報告などを行った。まず、若林が都市空間のジェンダー化と居住地選択行動などに関する文献整理の成果を発表した。次に、矢野が担当するGIS分析によるジェンダーマップ作成に関しては、東京大都市圏以外の大都市圏の作成を試みた。その結果、各都市圏内で未婚女性が集積した地域が抽出された。13年度の研究に向けて全国の市区町村間の人口移動をジェンダーの観点から新たな分析を試みることが矢野から報告された。女性による居住地選択行動の把握として,若林が東京都における犯罪地図分析と女性の犯罪空間認識を組み合わせて、GIS分析の応用を試みた成果を報告した。住宅需要サイドの分析では、インターネットを用いた居住地選択に関する未婚女性へのアンケート調査を、社会調査関係の複数のプロバイダーを利用して行う準備を若林が行った。ただ、研究遂行上に生じた学術上の問題点としては、インターネットを用いた社会調査による結果の信頼性の問題点が社会調査の文献で指摘されていることがわかった。神谷と研究協力者の木下は、労働組合と連携して単身女性の居住地選択と住宅問題について大規模な社会調査を並行して1〜3月に行い、深層調査として4月にグループインタビューを予定している。最後に、由井が担当する住宅供給サイドの分析は、単身女性向けの住宅情報誌に掲載された新築不動産物件の分析から商業地の利用を企画した不動産業者と、都心居住を志向する単身女性のマンション購入体験談の分析を試み、その研究成果を平成12年度の人文地理学会で発表した。概ね当初の研究計画通りに研究が進行しているが、研究の打ち合わせを兼ねた勉強会を企画によりこのテーマに関心を持つ研究者や大学院生も参加し、今後、都市空間のジェンダー化に関する研究の深化が期待される。
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