平成12年度の研究は、「まちづくり」をテーマとした総合学習教材を開発するための調査研究を行なうことを主たる内容としている。それは大きく3つの項目について調査することになっており、その3つの調査対象は、 1.イギリス、グラスゴー1999プロジェクトと、アメリカAIAによって行われている実践 2.総合学習の推進校である上越教育大学学校教育学部附属小・中学校、及び上越市立大手町小学校の実践 3.地域素材の収集、であった。 これらの調査研究は概ね予定通りに進められているが、今後その資料収集の範囲をどこまで拡大できるかにより、さらに内容が深まり、新しい課題も出てくると思われる。 本年度、研究計画以外のことで研究上非常に意味深い情報を得ることができた。それは、学校と地域の融合教育研究会の冬季フォーラムが上越市で開催され、そこで発表された実践報告から最近の動向や成果について検討する機会が得られたことである。このことは、この地域における実践ばかりでなく、異なる条件の中での実践について広く検討できる可能性をもたらした。また、総合学習教材に、学校と地域の融合教育(特に学校と親や地元住民とのかかわり)という視点を加えることによって、総合的な学習の時間の多様な展開が期待され、それは生涯学習へつながるものと考えられる。
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