本研究は、社会科教育における認識過程と社会化過程を統一する理論及び授業理論を構築するとともに、授業実践と直結する社会科の学習プログラムとそれに位置づく一連の教材を開発・作成し、そのモデルを提示しようとするものである。 今年度の本研究実績の概要は、次の通りである。 1.社会科教育における認識過程と社会化過程の統一を図る理論を確立する前提を何よりもまず、確かにしておく必要があるということから、わが国の社会科の原点である初期社会科に立ち返り、捉え直し、これからの社会科教育の在り方を展望しながら、社会科教育の目的・目標・内容・方法にわたって考察し、社会科教育の全体構造を明確にした。 2.社会科における認識過程と社会化過程の統一的授業過程と授業理論の骨子を確立した。 3.認識過程と社会化過程の統一という視座からの学習指導要領の捉え直しと、現行の小学校・中学校社会科の教科書・指導書を分析した。 4.認識過程と社会化過程の統一を目指す社会科の学習プログラム・教材の開発単元を確定し、熊本県の小学校・中学校教諭の研究協力を得て、小学校の第3学年から中学校の地理的・歴史的分野にわたって授業案を提示した。 (以上の1.4.の成果は『科学研究成果報告書』に掲載)
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