研究概要 |
本年度は本計画の2年目に当たる。昨年に引き続き,シラバスを策定するための基礎的作業として;(1)データ収集・データベース化,(2)分析枠組み策定,の両方面から作業を進めた。 データ収集については,日本語母語話者と非母語話者の自然談話の録音,書き起こし作業を進行している。話し言葉データについては,来年度も継続して作業を行う(このデータベースについては脇力者のプライバシー保護の観点から公開しない)。また、日本語母語話者の書き言葉資料として,毎日新聞記事データベースCD版を購入した。来年度以降、これらの資料を用いて,さらに多くの要素について分析を行う。 (2)分析枠組みを策定するため,各研究分担者が蓄積した成果を持ち寄り,今年度合計2回の全体研究会を開催した。今年度の成果として,全体的なシラバスの枠組みをほぼ決定することができた。具体的には、以下の内容が盛り込まれる予定である。 談話の概観/指示/接続表現/談話標識/談話における文法カテゴリーの機能/談話の類型 このうち一部については,枠組みのみならず,具体的な用法の分析についても少しずつ成果がまとまってきており,次ページに挙げたように,各分担者によって公刊された。 全体として、データベース化の作業は,予定よりも時間がかかりそうだが,すでに完成したデータベースやこのプロジェクトに先立つプロジェクトの成果によって得られた資料に基づき,談話における各要素の分析は順調に進行したと言えよう。
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