研究課題/領域番号 |
12680813
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研究機関 | 高知医科大学 |
研究代表者 |
古谷 正人 高知医科大学, 医学部, 助教授 (00035437)
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研究分担者 |
渡部 嘉哉 高知医科大学, 医学部, 助手 (60243846)
冨永 明 高知医科大学, 医学部, 教授 (50172193)
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キーワード | 好酸球 / リーシュマニア原虫 / H_2O_2 / IL-5 / IL-4 / INF-γ |
研究概要 |
Leishmania原虫に感染した宿主の防御機構において、好酸球の果たす役割と機能を解明する目的で、IL-5トランスジェニックマウス(IL-5 Tg マウス;C3H/HeN-TgN (IL-5) Imeg)とBALB/cマウスを用いてin vivo、in vitroで研究を行い、今年度は以下の成果が得られた。 1.昨年度は、L.amazonensis(L.a.)原虫を感染させたマウス足蹠(病変部)への好酸球の浸潤に関する観察は主に電子顕微鏡観察に依存していたが、好酸球に対する特異的染色方法を改良することで、病変部における好酸球を光学顕微鏡下で明確に鑑別できるようになった。 2.昨年の研究で、L.a.原虫に対する好酸球の傷害活性にIL-4が関与していることを組織学的に証明したが、放射性物質標識原虫を用いることで生化学的にも確認できた。 3.IL-4以外にIFN-γも好酸球の殺原虫活性に関与することが明らかになった、そのエフェクター分子はIL-4の場合と同様にH_2O_2であった。 4.好酸球の殺原虫作用に好酸球の脱顆粒は関与していなかった。 5.好酸球の走化性誘導物質としては原虫由来物質とIL-4が必要であった。 6.原虫感染に対して感受性が高く致死性のBALB/cマウスをIL-5の投与で好酸球増多状態にすると、L.a.原虫感染後の病態の増悪を抑制できることを昨年明らかにしたが、これらの腫脹が抑制されるマウスでは、血中のIL-4とIFN-γ値が増加していることが明らかになった。更に、これらのマウスにLPS処理を行うと抑制効果が増強されることも明らかになった。 7.上述のBALB/cマウス由来の好酸球は、IL-5 Tgマウス由来のそれと機能的・形態的に差がないことが生化学的に証明できた。 研究成果の一部は、第57回日本寄生虫学会西日本支部大会(平成13年10月・岐阜)で発表し、第49回実験動物学会総会(平成14年5月・名古屋)で発表する予定である。
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