研究概要 |
1.オオウバユリのフェノロジーから見た利用時期の合理性 6下旬から9月下旬まで6回、ステージ・クラスごとにサンプリングを行い、葉・鱗茎・根・有性繁殖器官に分け、器官別に乾物重を計測した。鱗茎の重量比は地上部の枯死する時期に大きくなる傾向が見られたが、今年度は春期のデータがないため、次年度に4月から採集・計測を再開し、詳細な分析は次年度分のデータが得られてから行う。 2.オオウバユリ利用の効率 (1)伝統的な生業の伝承者の協力の下でオオウバユリの採集・加工を再現し、採取量と作業時間・作業内容を記録した。大型の未開花個体66個体(鱗茎重量計5,186g)からデンプンを採取した。加工後の製品を保存、成分分析用のサンプルを採った。 (2)自生地に5×5mの永久方形区を設定し、全個体調査を行った。25m^2の方形区内には開花個体4と様々なサイズの未開花個体78がカウントでき、各個体について葉数と葉サイズを計測した。種子生産数は開花個体の果実数・果実サイズと近隣地域からサンプリングした果実の含有種子数から算出した。1年分だけでは静的生命表の作成は可能であるが、個体群構造のより精密な把握のため、次年度再び全個体の計測を行う。その後、2年分の計測値から生長量を算出し、個体群動態を推測するとともに、採集が個体群に与える影響をシミュレートし、持続的利用が可能な利用形態を推測する。
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