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2013 年度 実績報告書

制御性B細胞における食品由来ポリフェノールの免疫調節機能性

研究課題

研究課題/領域番号 12J07748
研究機関東京大学

研究代表者

葉 鎮豪  東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 特別研究員(DC2)

キーワード芳香族炭化水素受容体 / インターロイキン-10 / 制御性B細胞 / ケンフェロール / タマリキセチン / DSS誘導腸炎 / 国際研究者交流 / イギリス
研究概要

昨年度の研究で食品由来のケンフェロールとタマリキセチンが制御性B細胞の分化を促進することが明らかとなった。ケンフェロールとタマリキセチンの存在下、リポ多糖(LPS ; TLR4リガンド)とともに培養して得られたB細胞からmRNAを抽出し、リアルタイムPCRで解析したところ、LPSのみで誘導したB細胞と比べて、芳香族炭化水素受容体(Aryl hydrocarbon Receptor : AhR)の標的遺伝子であるシトクロムP450ファミリーlal (CYPlal)とAhRリプレッサ(AhRR)の発現が低下していたことから、両成分がAhRアンタゴニスト活性をもつことが明らかとなった。また、AhR遺伝子欠損マウスおよびAhR高活性化マウス由来B細胞を用いて制御性B細胞への分化を検討したところ、AhRシグナルの欠損が制御性B細胞誘導を促進することが示された。これらの結果より、ケンフェロール/タマリキセチンはAhRアンタゴニスト活性を介して制御性B細胞の分化誘導を促進していることが示唆された。
次に、生体内での制御性B細胞の分化誘導効果を検討するため、C57BL/6マウスにケンフェロールを経口投与し、脾臓および腸間膜リンパ節の制御性B細胞数をフローサイトメトリーにより解析した。その結果、ケンフェロール投与マウスでは、対照群と比較してIL-10産生制御性B細胞が多く存在することが明らかとなった。さらにケンフェロール投与マウスは、デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)誘発腸炎に対して抵抗性を示し、炎症指標である好中球が放出するmyeloperoxidase (MPO)活性と組織中のIL-6量も有意に低下した。以上の結果から、食品由来ポリフェノール類が生体内で制御性B細胞の分化誘導を促進し、炎症抑制効果を示すことが明らかとなった。

今後の研究の推進方策

(抄録なし)

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014 2013

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] ケンフェロール経口投与による制御性B細胞の分化誘導とデキストラン硫酸ナトリウム(DSS)腸炎の抑制効果2014

    • 著者名/発表者名
      葉 鎮豪、堀内 準矢、薩 秀夫、清水 誠、戸塚 護
    • 学会等名
      日本農芸化学会 2014年度大会(JSBBA 2014)
    • 発表場所
      明治大学(東京)(口頭発表)
    • 年月日
      2014-03-29
  • [学会発表] Aryl hydrocarbon receptor deficiency induces regulatory B cell population with IL-IO and IL-27 production2013

    • 著者名/発表者名
      Chen-Hao Yeh, Marc Veldhoen, Mamoru Totska
    • 学会等名
      第42回日本免疫学会学術集会(JSI 2013)
    • 発表場所
      幕張メッセ(千葉)(口頭+ポスター発表)
    • 年月日
      2013-12-12

URL: 

公開日: 2015-07-15  

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